記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/13 記事改定日: 2018/12/25
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
狭心症は心臓の血管が狭まる・塞がることで心臓に必要な酸素が不足してしまう状態です。放っておくと心筋梗塞につながり、最悪の場合は死に至ることもあります。
この記事で、そんな狭心症の改善に役立つ食べ物を見ていきます。楽しみながら減塩するコツも紹介しているので、参考にしてください。
狭心症とは虚血性心疾患の一種で、動脈硬化(動脈が弾力性を失って硬くなったり血管内が狭くなった状態)によって冠動脈と呼ばれる心臓の血管が塞がったり狭くなったりすることで心筋への血流が悪くなり、心臓障害を引き起こす病気です。
狭心症は心筋梗塞の前段階であり、動悸、息切れ、突然の胸の圧迫感、締め付けられるような痛みなどの症状が数十秒~数分ほど繰り返し起こります。また、前兆として左側の肩や背中に痛みが現われるのも特徴です。
歩行などの動作中に発症することが多いですが、安静時の冠動脈の痙攣によって発作が起きることもあります。
狭心症をはじめとする虚血性心疾患は心臓の酸素不足によって生じます。
これは血の流れが悪くなると流れる血液の量が減り、心臓に必要な酸素を供給できなくなるためです。
血管が狭くなる・塞がる原因としては、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、ストレス、運動不足、食生活の欧米化などに加えて遺伝的要因があげられます。
上の項目で述べたように、狭心症の原因の多くは食生活や生活習慣の乱れです。特に喫煙、高いコレステロール値、高血圧は狭心症を引き起こす大きな原因なので、症状改善のためにはそれらを遠ざける必要があります。
以下の文で、狭心症の改善を促す食べ物を見ていきましょう。
食物繊維は血中のコレステロール値を下げてくれる働きがあります。
また、少量で満腹感を得られるのもポイントです。
野菜、豆類、いも類、海藻、こんにゃくなどを積極的に食べるようにしましょう。
緑黄色野菜や海藻類は食物繊維に加えてビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。
特にマグネシウムには心臓の筋肉や血管の緊張を緩和する作用があるのでおすすめです。
狭心症になった場合や狭心症の疑いがある場合、以下のような食品はできるだけ控えましょう。
アルコールを飲みすぎると血圧が上がるので、血管に負担をかけてしまいます。また、お酒を飲むと塩辛いものが食べたくなる、食欲が促されて食べ過ぎてしまうということが起きやすいです。
狭心症を改善の大きな妨げになるので、アルコールは可能な限り避けましょう。
一般的に、「脂質は控えるべき」と考えられがちですが、脂質にはいくつかの種類があり、全ての脂質を控える必要はありません。
肉類・牛乳・乳製品に含まれる飽和脂肪酸は動脈硬化の原因となるため控えるべきです。一方で、多価不飽和脂肪酸と呼ばれるDHAやEPAは血中の中性脂肪やコレステロールを減少させる働きがあることがわかっており、積極的に摂りたい脂質といえます。
DHAやEPAはマグロやサンマ、イワシなどの魚に多く含まれ、オリーブオイルやごま油、グレープシード油などにも含まれています。普段の食事から、肉類よりも魚介類を多く摂るように心がけ、炒め物などにはオリーブオイルやごま油を使用するようにしましょう。
減塩食は薄味で味気なく感じるものです。これまで慣れた味付けから、突然減塩を意識した食事に変えるのを苦痛に思う人もいるでしょう。しかし、メニューを工夫することで、味気なさを軽減することもできますのでぜひ試してみましょう。
おすすめの方法は、鰹節や昆布などのうまみ成分がたっぷり詰まった自然素材でしっかりとった出汁を活用することです。化学調味料には余分な塩分が含まれていますので、汁物や煮物を作るときには、化学調味料に頼らず、自分で出汁を取る習慣を身につけるとよいです。
また、しょう油などの調味料を最小限に抑えるように、大根おろしやネギ、ハーブなどを多く添えたメニューもおすすめです。これらの付け合わせにはうま味が含まれていますから、食事に添えるだけでよい味付けになり、塩分を抑えることができます。
狭心症の予防には、塩分と糖分、脂質を抑えたメニューがおススメです。また、高血圧を防ぐ効果もあるカリウムを多く含んだメニューも取り入れたいものです。ここでは、狭心症予防のためのおススメメニューをご紹介します。
さんまなどの青魚にはDHAが多く含まれており、狭心症のリスクとなる悪玉コレステロールを減らす作用があるといわれています。また、うま味たっぷりの大根おろしを添えることで、さんまにかける塩やしょう油を最小限に抑えることができます。
海藻はカロリーが少ないため、肥満予防になり、カリウムを豊富に含みますから高血圧の改善にもつながります。
たっぷりのシソを加えることで、塩分を加えることなくさわやかな味が加わります。ドレッシングは昆布や鰹節でとった出汁を用いると更に塩分が抑えられるでしょう。
狭心症の予防には食事内容に注意するだけでなく、適度な運動を行うことも大切です。適度な運動は肥満予防だけでなく、糖尿病や高脂血症の予防と改善にもつながります。
しかし、すでに軽度な狭心症を患っている人は運動によって胸痛発作が出現するため、運動を敬遠しがちになるものです。ですから、心臓に負担のかかりにくいウォーキングなどの有酸素運動を行うようにしましょう。また、体調の異変を感じた場合には無理をせずに落ち着くまで休むことも大切です。
狭心症の改善に効果が期待できる食べ物について見てきましたが、いかがでしたか?
食事の改善はもちろん大切ですが、睡眠不足や運動不足などの生活習慣も見直す必要があります。
また、タバコも狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こす大きな原因です。
自分の生活習慣全般を一度チェックして、狭心症の症状を改善していきましょう。
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