E型肝炎とは ~ 汚染された食品や野生動物の肉で感染する病気 ~

2017/9/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

E型肝炎とは、E型肝炎ウイルスに汚染された食品を食べることなどによって感染する病気です。今回の記事では、E型肝炎の症状や予防法について解説します。

E型肝炎とは

E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(hepatitis E virus, HEV)の感染によって引き起こされる急性肝炎(稀に劇症肝炎)で、慢性化することはほとんどなく、多くの場合1~2ヶ月ほどで治癒します。

日本では、これまで開発途上国への旅行など、渡航先での食べ物による感染が多く報告されていましたが、近年では渡航歴のない国内発症例も散見されるようになってきています。それは、豚やシカ、イノシシなどの動物からも人と同じHEVに似たウイルスが検出されていることや、動物から人への感染も報告されていることから、この病気は、人獣共通の感染症として考えられています。

E型肝炎の感染経路は?

E型肝炎は、感染者の糞便から出たウイルスが水や食べ物(主に生水、生肉、貝類)を介する経口感染により発症します。また、輸血による感染も報告されています。
近年では、海外渡航歴のない人の感染が増えており、多くは加熱の十分でない肉を食べたことによる発症です。また、近年ジビエ料理(シカやイノシシなどの鳥獣の肉など)の普及に伴い、感染の報告が増えているともいわれています。

E型肝炎に感染すると、どんな症状が出る?

HEVに感染した場合、不顕性感染が多いとされています(特に若年者)。肝炎の症状はA型肝炎とほぼ同じとされていて、平均6週間の潜伏期の後に以下のような症状が起こります。
・全身の倦怠感
・食欲不振
・吐き気
・発熱
・頭痛
・関節痛
・喉の痛み
・下痢
・発疹
・肝臓の圧痛
・黄疸

大半の症例では安静により治癒しますが、E型肝炎の特徴として、妊婦が妊娠晩期に感染した場合や、高齢者ほど劇症化しやすいという報告があります。

E型肝炎ウイルスの感染を予防できる?

HEVのワクチンは現在まだ開発段階です。そのためHEVの予防は、手洗い、飲食物の加熱により、経口感染を防ぐことが重要です。また、E型肝炎流行地域へ旅行の際は、生水や氷の入った清涼飲料をなるべく避け、生や加熱が不十分な肉や貝類には気をつけましょう。
その他、すでに皮をむいてある非調理の果物や野菜もなるべく避け、動物の内臓(特にレバー)を食べる際、中まで完全に火が通るように十分加熱するよう注意が必要です。

おわりに:感染が疑われる食べ物は口に入れないようにしよう

HEVの感染を予防するためには、今回挙げたような感染の危険性がある食べ物や飲み物を避けることが重要です。また、治療法も現在のところ急性期の対症療法しかないため、特に劇症化する可能性のある妊娠中の女性や、高齢者は注意しましょう。

【出典: 厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/08/h0819-2a.html

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