チック症(トゥレット症候群)になると、どんな症状が現れる?

2017/9/14 記事改定日: 2020/2/26
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「チック症」(トゥレット症候群)という病気をご存知ですか?精神神経疾患の一種で、子供が突然発症することも少なくありません。今回の記事では、そんなチック症の症状や原因、治療法などを幅広くお伝えしていきます。

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チック症(トゥレット症候群)とは

チック症とは、無意識のうちに体の一部が同じ動きを繰り返す症状のことです。5~6歳の子供が突如発症することの多い病気で、女の子より男の子のほうが発症しやすい傾向にあります。チック症が1年以上続いた場合、トゥレット症候群とも呼ばれます。

チック症の症状には、同じ発生や咳を繰り返す「音声チック」と、まばたきや首を動かすなど一定の動きを繰り返す「運動チック」とがあります。

また、合併症として注意欠陥多動性障害や強迫性障害になることがあり、生活リズムが崩れて睡眠障害になったり、うまく二足歩行ができなくなったりといった症状が現れる場合もあります。

症状の特徴

チック症は上で述べたように大きく分けると「音声チック」と「運動チック」があります。それぞれの特徴的な症状としては次のようなものが挙げられます。

音声チック
  • 咳払いや鼻すすりの癖が目立つ
  • 口や鼻の音を鳴らす癖がある
  • 特定の単語を繰り返し口にする
  • 自らが発した言葉や音を何度も繰り返す
運動チック
  • まばたきやしかめ顔など表情筋を動かす癖がある
  • 首や肩を動かす癖がある
  • 無意味に飛んだり跳ねたりを繰り返す

チック症の原因は?

チック症の原因ははっきりとはわかっていませんが、大脳基底核のドパミン神経系の過活動によって引き起こされるのではないかと考えられています。また、同一家族内で複数の発症者がみられることから、遺伝の可能性も示唆されています。

チック症はどうやって治療するの?

チック症は10代中頃から改善していき、10代後半には自然寛解するケースが多いです。ただし、重度の場合には、ハロペリドールやリスペリドンなどの抗精神病薬によって治療することがあります。また、薬物療法のほかにも、行動療法や心理療法によって、スムーズに日常生活が送れるようアプローチしていく方法もあります。

おわりに:チック症は成長するにつれて消えることが多い

頻繁に肩を動かしたり、ぱちぱちとまばたきを繰り返したりといった子供の異変に気づき、非常に心配する保護者の方は多くいらっしゃいますが、チック症は成長とともに自然に改善することの多い病気です。ただ、症状が出ている間は適切な治療を受けることが大切なので、気になる症状が見られたらまずは病院を受診してください。

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