閉塞性黄疸とは ~ 病気で胆管が詰まり、発症する病気 ~

2017/9/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

結石などを要因として胆管が詰まることで発症する閉塞性黄疸。単に皮膚に黄色いシミのようなものができるだけではありません。倦怠感や風邪のような症状から、命に関わる事態となることもある重大な疾患です。以下で詳しく見てみましょう。

閉塞性黄疸とは

通常、肝臓でつくられた胆汁は、胆管を通って胆嚢に一度溜められた後、総胆管を通って十二指腸へと排出されます。しかし、何らかの要因によって胆管が詰まり、十二指腸へと胆汁が流れ込んでいかないときに、体に黄疸が現れる症状を閉塞性黄疸と呼んでいます。

「黄疸」とは、ビリルビンという色素が血液中に過剰に増え、全身の皮膚や眼球などの粘膜が黄色に染まってしまう状態を言います。通常、肝臓に病気があったり、閉塞性黄疸のように、胆管に問題があるときに発生します。

閉塞性黄疸の症状


目に見える形でわかりやすく現れる症状としては以下のものがあります。

・皮膚や粘膜が黄色く変色する
・全身に広がる皮膚のひどい痒み
・胆汁が腎臓から排出されることで、尿がコーラのような色になる
・胆汁が腸から流れなくなるため、便が白色になる(通常、便は胆汁によって色がつけられる)
・みぞおちや右のわき腹、背中に激しい疼痛

他には、腹痛や発熱、全身の倦怠感や食欲不振といった風邪のような症状が出ることもあります。
このような症状を放置したり、長引いたりした場合は胆汁に細菌感染が起こり胆管炎を引き起こし、これが重篤化するリスクもあります。重篤化すると、意識障害など命に関わる事態にもなり得ます。

閉塞性黄疸の原因


上記で、「胆管が詰まって十二指腸へと胆汁が流れ込んでいかなくなる」とお話しましたが、では、胆管が詰まってしまう要因は何なのでしょうか?
その要因として、最も多いとされるのが総胆管結石です。総胆管結石には、胆嚢内の石が胆管内を流れていかずに詰まってしまう場合と、総胆管の中に直接できる場合とがあります。

また、胆管を詰まらせる結石の原因は、「日本人の食生活の変化」と大いに関係があります。結石の中でも日本人に多いコレステロール結石の要因は、食事が欧米化したことによって、日常生活で脂肪分を摂りすぎることが大きいといわれています。

なお、結石の他に胆管を詰まらせる“良性の”要因としては、胆石症や胆嚢炎、先天性総胆管拡張症などが挙げられます。

一方、“悪性の”要因(疾患)としては、胆管癌、悪性リンパ腫、癌の腹腔内リンパ節転移、胆嚢癌、膵頭部癌などがあります。
癌を要因とする結石の場合は、胆管が詰まるスピードが比較的ゆっくりなため、腹痛や発熱を伴うことは少ないです。

他に結石ができる原因として、不規則な生活やストレスなども挙げられることがあります。

閉塞性黄疸の診断・治療法

診断

腹部エコーやCT、MRなどの画像を見ながら、胆管を詰まらせている結石や腫瘍を発見します。他には、血液検査が行なわれることもあります。

治療法

応急処置のひとつに「ドレナージ」という方法があります。ドレナージとは詰まった胆管から胆汁を出すことであり、内視鏡的胆道ドレナージと経皮経肝的肝道ドレナージの2種類があります。
前者は、多くの病院で第一選択の減黄処置として位置づけられている方法で、十二指腸にある胆管の出口部分を内視鏡で見ながらチューブを差し込んで行ないます。後者は、皮膚と肝臓部分を通して胆管にチューブを挿入する手術です。

また、症状によって鎮痛剤や抗菌薬を併用します。いずれにせよ、詰まりの原因が結石だった場合は、結石を除去することで治療は完了となります。

おわりに:閉塞性黄疸は病院での治療が欠かせない病気

放置しておくと、重篤化したり命の危険もあります。症状がみられたら、病院で治療を行ないましょう。同時に、再発防止に努めることも欠かせません。規則正しく、ストレスを溜めない生活を心がけてください。

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