閉塞性黄疸はどんな病気?がんや食事が原因になるの?

2017/9/19 記事改定日: 2020/6/16
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

結石などを要因として胆管が詰まることで発症する閉塞性黄疸。皮膚に黄色いシミのようなものがあらわれて異変を感じることもあります。倦怠感や風邪のような症状から、命に関わる事態となることもある重大な疾患である閉塞性黄疸について、基礎的な知識を理解しましょう。

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閉塞性黄疸とは

通常、肝臓でつくられた胆汁は、胆管を通って胆嚢に一度溜められた後、総胆管を通って十二指腸へと排出されます。しかし、何らかの要因によって胆管が詰まり、十二指腸へと胆汁が流れ込んでいかないときに、体に黄疸が現れる症状を閉塞性黄疸と呼んでいます。

「黄疸」はなぜ起こる?

ビリルビンという色素が血液中に過剰に増え、全身の皮膚や眼球などの粘膜が黄色に染まってしまう状態を黄疸といいます。通常、肝臓に病気があったり、閉塞性黄疸のように、胆管に問題があるときに発生します。

閉塞性黄疸の症状や重症化のリスク

目に見える形でわかりやすくあらわれる閉塞性黄疸の症状や代表的な症状としては以下のものがあります。

  • 皮膚や粘膜が黄色く変色する
  • 全身に広がる皮膚のひどいかゆみ
  • 胆汁が腎臓から排出されることで、尿がコーラのような色になる
  • 胆汁が腸から流れなくなるため、便が白色になる(通常、便は胆汁によって色がつけられる)
  • みぞおちや右のわき腹、背中に激しい疼痛
  • 腹痛や発熱
  • 風邪のような症状(全身の倦怠感や食欲不振など)

このような症状を放置したり、長引いたりした場合は胆汁に細菌感染が起こり胆管炎を引き起こし、これが重篤化するリスクもあります。重篤化すると、意識障害など命に関わる事態にもなり得ます。

閉塞性黄疸の原因

上記で、閉塞性黄疸が発生する理由として「胆管が詰まって十二指腸へと胆汁が流れ込んでいかなくなる」と解説しました。では、胆管が詰まってしまう要因は何なのでしょうか?

総胆管結石

総胆管結石の要因として、最も多いとされるのが総胆管結石です。総胆管結石の発生には、胆嚢内の石が胆管内を流れていかずに詰まってしまう場合と、総胆管の中に直接できる場合とがあります。

脂肪分が多い食生活

胆管を詰まらせる結石の原因は、「日本人の食生活の変化」と大いに関係があります。結石の中でも日本人に多いコレステロール結石の要因は、食事が欧米化したことによって、日常生活で脂肪分を摂りすぎることが大きいといわれています。

その他の結石ができる要因

不規則な生活やストレスなども結石を引き起こすことがあります。

胆管の異常には良性と悪性がある?

結石を引き起こす要因は、良性と悪性に分かれます。

良性要因

結石の他に胆管を詰まらせる“良性の”要因としては、胆石症や胆嚢炎、先天性総胆管拡張症などが挙げられます。

悪性要因

“悪性の”要因(疾患)としては、胆管がん、悪性リンパ腫、がんの腹腔内リンパ節転移、胆嚢がん、膵頭部がんなどがあります。
がんを要因とする結石の場合は、胆管が詰まるスピードが比較的ゆっくりなため、腹痛や発熱を伴うことは少ないです。

閉塞性黄疸の診断と治療法

診断は、腹部エコーやCT、MRなどの画像を見ながら、胆管を詰まらせている結石や腫瘍を発見します。他には、血液検査が行なわれることもあります。
治療方法には以下のようなものがありますが、原因やその人の健康状態よって変わってきますので、医師の指示のもと適切に治療を行いましょう。

治療法

応急処置のひとつに「ドレナージ」という方法があります。ドレナージとは詰まった胆管から胆汁を外に出すことであり、内視鏡的胆道ドレナージ経皮経肝的胆道ドレナージの2種類があります。

内視鏡的胆道ドレナージ

多くの病院で第一選択の減黄処置として位置づけられている方法です。十二指腸にある胆管の出口部分を内視鏡で見ながらチューブを差し込んで行ないます。

経皮経肝的胆道ドレナージ

お腹の皮膚と肝臓部分を通して胆管にチューブを挿入する手術です。

また、症状によって鎮痛剤や抗菌薬を併用します。詰まりの原因が結石だった場合は、結石を除去することが治療の目的です。

がんが原因の閉塞性黄疸の治療

がんが原因で引き起こされる閉塞性黄疸の根本的な治療は、胆管を物理的に閉塞しているがんを切除することです。
一方で、がんが進行して手術ができない状態であったり、全身の状態が悪く手術が困難な状態であったりする場合は、応急的に胆管や胆のうでうっ滞している胆汁を排出するため、上記で説明した内視鏡的胆道ドレナージや経皮経肝的胆道ドレナージを行う必要があります。

また、胆管炎などを起こしている場合には、たとえ手術ができる状態であっても早急にうっ滞した胆汁を排出する必要があるためドレナージを行い、抗生物質を投与するなどして炎症を鎮めてから手術を行うこともあります。

おわりに:閉塞性黄疸は病院での治療が欠かせません。原因を特定して適切な治療を!

閉塞性黄疸を放置すると、重篤化や命の危険があります。症状がみられたら、病院で検査と治療を行ないましょう。同時に、再発防止に努めることも欠かせません。規則正しい生活や食事習慣の改善、ストレス発散を心がけてください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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