クラミジアで起こる体の変化とリスク ― 予防や治療の方法とは!?

2017/9/19 記事改定日: 2018/7/20
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

日本で最も発症率が高い性感染症といわれる「クラミジア」。一度は耳にしたことのある病名かと思いますが、クラミジアに感染するとどんな症状が現れるのでしょうか。対処法や予防法と併せて、詳しく解説していきます。

クラミジア感染症ってどんな病気?

クラミジア感染症とは、クラミジア・トラコマチスという病原体によって引き起こされる性感染症の一種です。主な感染経路は性行為によるもので、特に若い女性の発症率が高い傾向にあります。なお、性行為以外にも、クラミジア感染者の母親から生まれた赤ちゃんが産道感染によって感染するケースも存在します。

クラミジアに感染したときの症状は男女で異なる

クラミジアに感染したときの症状は、男女によって異なりますが、どちらも症状が軽いことが特徴です。

男性の症状

男性の場合は、尿道から感染するため、尿道炎の症状が現れるのが一般的です。排尿のときの痛みや、尿道付近のかゆみといった自覚症状があります。

女性の症状

女性は子宮頸管炎を起こした後、炎症が子宮内膜や卵管へと広がっていき、おりものから変な匂いがしたり、下腹部の痛みを感じたりといった症状が現れることがあります。自分は大丈夫と思っていても、実際、妊婦検診にて3〜5%の妊婦さんにクラミジア保有が発覚することから、自覚していないだけで実は感染している女性は少なくないと考えられています。

なお、性行為の中でも口腔性交によって咽頭感染した場合は、首のリンパ節が腫れることがあります。

感染した場合の対処法は?

クラミジアに感染してしまった場合は、抗生物質(テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系)による治療を行います。ただし、性行為を通じてパートナー間で感染させあうリスクがあるため、パートナーと並行して治療を行うことが大切です。

クラミジアは自然治癒する?

クラミジアは治療をしなくても症状が軽快することがあります。しかし、これはクラミジアが完治したのではなく、際立った症状がなくなっただけで、精巣や卵管などの妊娠に関わる重要な臓器や腹腔内に慢性的な炎症を起こしている状態となっているのです。

これらの炎症による症状は尿道炎などのように自覚症状がほとんどなく、放置すると不妊症や腹膜炎などの重篤な合併症を起こすことがあるので注意が必要です。
このように、クラミジアの治療には抗生物質を使用する必要があり、自然治癒することはありません。感染が疑われる場合には、病院で検査を行い、必ず治療を受けるようにしましょう。

クラミジアで不妊になるって本当?

クラミジアは放置すると不妊症を引き起こすことがあります。
特に女性に多く見られますが、卵管炎や卵巣炎が生じることで卵管が癒着し、精子が卵子まで到達できなくなったり、受精卵が正常に子宮内に移動できなくなります。
また、男性の場合では、放置すると精巣上体炎を起こすことがあり、精子を放出するための精管が閉塞して無精子症や乏精子症に陥ることもあります。

どうすればクラミジア感染を予防できる?

クラミジアはほとんどの場合性行為によって感染するため、日頃から性行為の際にはコンドームを使用することが非常に重要です。また、感染の疑いがある人との性行為を避けることも有効な予防法といえるでしょう。

おわりに:気になる症状があるときは、パートナーと一緒に検査を受けよう

クラミジアは放置しておくと、男性の場合は前立腺炎や精巣上体炎、女性の場合は不妊症などに発展するリスクもある病気です。尿道の痛みなどの気になる症状がみられた場合は、パートナーと一緒に性病検査を受けることをおすすめします。

【  国立感染症研究所ホームページを編集して作成 】

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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