ループス腎炎とは ~ 全身性エリテマトーデスが原因で発症する ~

2017/9/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ループス腎炎は、全身性エリテマトーデスが原因で発症する腎障害で、20~40歳代の女性に多くみられる病気です。今回の記事では、ループス腎炎の症状や治療法などについて解説します。

ループス腎炎とは

全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus: SLE)によって引き起こされる腎障害で、SLE患者の9割に発生するとされています。SLEは腎障害を合併しやすく、ループス腎炎の発症は生命予後に大きく関与します

SLEによってできる抗原抗体の複合物が、腎臓の糸球体に付着して機能を損なうことが原因で発症します。
尿潜血・尿たんぱくが陽性の場合、SLEの診断や病勢の評価のため、腎生検を行うことがあります。

ループス腎炎の症状

ループス腎炎を発症すると、SLEの症状にみられる関節痛や微熱、皮疹、倦怠感などの症状に加え、以下の症状があらわれます。

・たんぱく尿
・血尿
・むくみ

また、腎機能障害が重症化すると慢性腎不全、ネフローゼ症候群(大量のたんぱく尿が出るため、血中のたんぱく質が減少する病気)を発症する場合があります。

ループス腎炎の診断・治療法

ループス腎炎の診断、治療法を以下に解説します。

診断

SLEの症状とともに尿潜血陽性・尿たんぱく陽性がみられた場合、免疫学的検査や腎生検(腎臓から組織を摂る診断法)を行い確定診断されます。大きく6つの病型に分類されます。
・微小メサンギウムループス腎炎
・メサンギウム増殖性ループス腎炎
・巣状ループス腎炎
・びまん性ループス腎炎
・膜性ループス腎炎
・進行した硬化性ループス腎炎

治療

巣状ループス腎炎、びまん性ループス腎炎、膜性ループス腎炎が治療対象となり、治療には副腎皮質ステロイド薬が使用されます。
重症の場合は、シクロフォスファミド、タクロリムス、ミゾリビンなど免疫抑制剤を併用する場合があり、ミコフェノール酸モフェチルを併用することもあります。
ループス腎炎が進行し、腎不全になった場合は人工透析が必要となることもあります。

日常生活で気をつけること

ループス腎炎は、はっきりした原因がわからないため、再発する可能性がありますが、治療により自己抗体の活動を抑えられていれば、腎機能障害の進行をコントロールすることが可能です。

日常生活では、再発を防ぐために気をつけるべきこととして、日光への暴露、風邪などの感染症、、外傷、手術、妊娠、薬剤アレルギーなどがあります。
また、薬を医師の指示なく減らしたり、中止したりしないようにしてください。

緊急の災害時に備えて、治療薬を持って避難できるように、普段から少し余分に持っておくことをおすすめします。

おわりに:ループス腎炎の兆候に注意しましょう

ループス腎炎は、再発の可能性もある病気のため、日常生活に気をつけることが重要です。
医師の指示を守ってステロイドを服用するとともに、紫外線や化粧品といった刺激物をできるだけ避けるようにしましょう

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