記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/20 記事改定日: 2019/5/10
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
耳がこもると不快感があり、すぐにでもその症状を解消したいですよね。今回の記事では、耳のこもりの原因と解消法をご紹介します。
耳がこもる感じとは、自分の声が大きく聞こえたり、周りの音が聞こえにくくなったり、飛行機に乗ったときに耳が詰まったように感じることです。これは、耳閉感と呼ぶこともあり、誰にでも経験することがあるといわれています。
耳がこもる原因は、以下の原因が考えられます。
耳がこもる原因のひとつが気圧の変化です。飛行機に乗ったときや、高い場所に登ったとき、スキューバダイビングをしたときなどに起こります。
気圧の変化による耳のこもりは、鼻をつまんで息をしたり、あくびをしたり、唾を飲み込むなどの「耳抜き」をすることでほとんどは改善されます。
耳管開放症は、普段閉じている耳管が、以下の原因とされるものにより開いた状態になることです。
耳管開放症の症状には「耳がこもる」こと以外にも、自分の声が響いたり、自分の息をする音が聞こえることなどがあります。
耳管開放症は、頭を心臓より低くすると症状が治まるという特徴があります。これは血液が頭に移動することで耳管の周囲の血管が広がり、圧迫された耳管狭くなるからです。
耳管開放症は、軽度であれば自然に改善するといわれています。生活習慣を改め、ストレスがたまらないようにこまめに解消するようにしましょう。また、ダイエット中の人は、一旦ダイエットを控えて、水分を十分に摂取するようにしてください。
症状が出たときは、ソファなどで少し横になるだけでも症状が軽くなることがあります。
ただし、不快感を回避するために鼻をすすってしまうと、鼻咽腔の細菌が中耳に入りこんでしまい中耳炎になってしまうことがあるので注意しましょう。
突発性難聴の原因ははっきりわかっていませんが、ストレス、疲労、内耳の循環不全、ウイルス感染の関与が疑われています。
早期のうちに治療すれば改善しやすいですが、発生から2週間以上経過した場合、聴力の回復が難しくなるといわれています。
突発性難聴は、副腎皮質ステロイド、血管拡張薬、ビタミン薬などで治療していきますが、状態によっては星状神経節のブロックや高気圧酸素療法などが行われることもあります。
メニエール病は内耳の問題です。はっきりとした原因はわかっていませんが、内耳の体液の蓄積に関連しているのではないかと考えられています。
耳がこもる他に、回転性のめまいや耳鳴りが起こることがあります。
メニエール病は生活習慣の改善で症状が治ることもありますが、病院での治療が必要になることも少なくありません。必ず医師と相談しながら自分にあった方法で治療を進めていきましょう。
耳のこもりは上記のような思わぬ重篤な病気のサインである可能性もあります。以下のような症状を伴う場合には、なるべく早めに病院を受診し、検査・治療を受けるようにしましょう。
また、耳のこもりは過度なストレスなどによって引き起こされることもあり、中にはうつ病などの精神的な病気が背景にある場合もあります。不眠や食欲不振、原因のない倦怠感や集中力の欠如などの症状がある場合には、心療内科や精神科などを受診することも考えましょう。
耳がこもる症状が続いていたり、違和感を感じるようであれば、他の病気の可能性もあるため、早めに病院で診てもらうようにしましょう。