糖尿病の初期症状について 〜 尿の匂いが変わるって本当? 〜

2017/9/28 記事改定日: 2018/3/12
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

糖尿病ははっきりとした初期症状が現れないことも多いため、知らないうちに進行してしまうケースも少なくありません。治療のためには早期発見が重要といわれていますが、どのように見つけたらいいのでしょうか?この記事では、糖尿病の初期症状となる尿の匂いの特徴や、糖尿病に伴うリスクなどについて解説します。

糖尿病の初期症状

糖尿病になると、体の血のめぐりが悪くなり、体にさまざまな問題が出てきます。予防が大事なことはもちろんですが、治療のためには初期のうちに糖尿病に気づくことが重要です。糖尿病は初期症状がはっきり現れないことも多く、発見したときにはかなり症状が進行し、治療が難しくなっていたというケースも少なくありません。

糖尿病は、尿の回数や量が増えたり、のどが渇きやすくなったり、疲れやすくなったりなどの体調の変化が初期症状として現れることがあります。このような体調の変化に気づいたら、早めに病院で検査することをおすすめします。また、十分に食べているのに急激に体重が減っている場合は、糖尿病がかなり進行している可能性があるので、すぐに病院へいきましょう。
また、最近は血糖値の自己測定器も市販されています。可能ならば購入し、定期的に血糖値を確認してもいいかもしれません。

尿の匂いが変化するって本当?

糖尿病の方は血糖値が高いために尿中のブドウ糖が多くなり、甘い匂いを発することがあります。

また、糖尿病が進行すると、今度は果物が腐ったような甘酸っぱい匂いがすることもあります。この匂いの原因は「ケトン体」という物質です。ケトン体は、肝臓で脂肪を分解するときに発生するものです。通常、人はブドウ糖をエネルギー源として活動しますが、糖尿病患者の場合はブドウ糖が有効に使えず、代わりにケトン体をエネルギー源として利用することがあります。そしてこのケトン体が血中に流れ、尿中に排出されることで、このような匂いが発生するのです。

糖尿病になると足の壊疽のリスクが!

糖尿病になり高血糖の状態が続くと、心臓や脳だけでなく、足の血管でも動脈硬化が起こることがあります。この下肢血管での動脈硬化は「閉塞性動脈硬化症」と言います。足の血管が詰まることで、痺れや冷え、痛みのほか、新鮮な血液が届かないために傷が治らず、細菌感染を起こし、潰瘍化することがあります。これが壊疽にまで発展すると、足の切断を余儀なくされる恐れがあるのです。

糖尿病予備軍について

糖尿病予備軍とは、血糖値が正常値より高めですが糖尿病の診断が下されるほど高くない状態のことをいいます。これは境界型の糖尿病とも呼ばれ、HbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)が6.5%未満、空腹時血糖値が110~125mg/dl、75gブドウ糖負荷後2時間の血糖値が140~199mg/dlのいずれかの基準を満たしているものです。 糖尿病予備軍は、正常の血糖値の人よりも糖尿病を発症しやすい状態のため注意が必要です。

放置して悪化してしまうと

糖尿病予備軍は、生活習慣の改善で糖尿病への進行を防ぐことができるといわれています。しかし、治療せずにそのまま放置してしまえば、かなりの高確率で本格的な糖尿病になってしまうでしょう。

一度糖尿病になってしまうと、完治させることが非常に困難です。また、糖尿病を発症した場合、心筋梗塞や脳梗塞などの発症率も高まってしまいます。予備軍の段階で生活習慣を見直し、血糖コントロールをするようにしましょう。

血糖値が上がる原因と予防のためにできること

食事で摂った食べ物の栄養が消化され、ブドウ糖になって血液に入ると血糖値が上がります。通常はこのときにインスリンが分泌されブドウ糖が代謝されますが、何らかの原因でインスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)と、ブドウ糖が代謝されなくなるため血糖値が上がった状態のままになってしまいます。

インスリン抵抗性が上がる(インスリンが効きにくくなる)原因ははっきりしていませんが、肥満やストレス、遺伝が関係していると考えられています。以前に比べて体重やウエストサイズが増えているという人は、適度な運動と食生活の見直しを行い、標準体重に戻すようにしましょう。

また、急激に血糖値が上昇すること(血糖値スパイク)も、糖尿病のリスクを高めるといわれています。ドカ食いのように、一度の食事で大量に食べるクセがある人や甘いものを頻繁に食べる習慣がある人は改めるようにしてください。

おわりに:糖尿病はできるだけ早く対処することが重要!気になるサインを見つけたら病院へ!

糖尿病になると、生活の様々な面において不自由を強いられ、好きなものを食べることができないだけでなく、行動も限られてくることもあります。 これを事前に防止するためには、生活習慣を見直し、血糖値をコントロールすることが大切です。また、血糖値の異常を早めに見つけて対処することも、糖尿病予防には重要になってきます。尿の回数の変化や匂いの変化など、少しでも気になる異変が現れたら、早めに病院へ行きましょう。

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