記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/22 記事改定日: 2019/4/15
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
排尿時に痛みを感じる場合、様々な原因が考えられます。今回の記事では、排尿痛の原因となっている疾患の治療や予防法について解説します。
排尿痛は以下のような原因から起こります。
疲労やストレスが溜まったり、風邪をひいているときは体の免疫力が低下しているため、細菌が体内に侵入しやすくなります。細菌は尿道、膀胱、腎臓、前立腺に感染すると炎症を起こし、排尿痛を引き起こすことがあります。
セックスの低年齢化により、10代の若年層で淋菌、クラミジアなどの性感染症(STD)の増加が報告されています。性感染症は、性器や尿道に炎症を起こすため、排尿痛の原因となります。
排尿痛の原因は以下のものが考えられます。
病気別に排尿痛の治療法、予防法を解説します。
水分を摂取し、尿量を増やすことで自然治癒されます。症状が重い場合は、抗生物質が使用されます。
予防のためには
ことを心がけましょう。
治療方法は前立腺炎の原因によって異なります。
抗生物質は、細菌感染が原因の前立腺炎の治療に使用され、 数週間または数ヶ月間の服用期間が必要な場合があります。深刻な前立腺炎の場合は、通院して点滴治療するケースもあるでしょう。
前立腺炎の原因が感染ではない場合、 原因がはっきりしないことも多く、治療が困難になることも多いです。 他の感染症が隠れている可能性を考え抗生物質で経過を観察したり、症状緩和を目的とした対症療法が行われることもあります。
イブプロフェンまたはナプロキセンなどの非ステロイド系抗炎症薬、および熱いお湯での入浴が症状緩和に役立つとされています。また、 膀胱や前立腺の働きを助ける薬を服用することで症状が改善する男性もいます。
予防のためには、細菌性の場合、陰茎や尿道口を清潔に保ち、セックスの際はコンドームを使用するようにしましょう。
非細菌性の場合は、長時間座り続けないことや、下腹部を温かく保つことも有効とされています。
他に持病がない成人男性または女性の場合の治療では抗生物質を使用し、妊娠している場合、おなかの赤ちゃんへの影響を考慮した薬が処方されます。
通常、薬の服用を開始してから1〜2日後に改善していきますが、 症状が治まっても原因菌が死滅していないことも少なくありません。
医師に指示された通りに最後まで薬を飲みきりましょう。
を心がけることで発祥のリスクを下げることができます。
尿管結石は水分を多めに摂って尿量を増やし、結石の自然排泄を促すのが基本的な治療方針です。鎮痛剤や尿路感染症合併に対する抗生剤などが使用されることはありますが、投薬が必要ないケースも多々あります。
一方、結石のサイズが大きく、自然排石が望めない場合や重度な尿路感染症によって敗血症などを繰り返す場合には結石の排出を促すため尿管ステントを挿入したり、衝撃波を体外から照射して結石を細かく砕く体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が行われることもあります。
また、尿管結石の予防法としては、第一に水分を多く摂ることが大切です。その他にも、シュウ酸や尿酸など結石を形成する原因となる成分を多く含んだ食事を避ける・これらの成分の排出を促すカルシウムを多く摂るなどの食生活の見直し、適度な運動習慣を身に付けることが大切です。
淋菌感染症は抗生物質で治療します。ピンポン感染を防ぐため、パートナーとともに治療する必要があります。
淋菌感染症(淋病)は予防ワクチンがないため、日頃lから以下のことを心がけましょう。
腎盂腎炎の治療では、長いときは数週間以上も抗生物質を飲み続ける必要があります。さらに尿路閉塞がみられる場合は手術治療が必要になることもあり、深刻な場合には入院が必要になるケースもあります。
入院中は水分や薬物を点滴で投与され、自分で水分補給や薬物を服用できるようになるまで続けられます。
成人の場合、感染の再発を避けるため、治療が終わったあとも尿培養を繰り返す必要があります。
予防のためには、以下のことに注意してください。
尿道狭窄の程度や部位、原因によって治療法が異なります。尿道ブジーやバルーン拡張術、内尿道切開術、留置型ステント、開放手術などの方法が行われます。
現在のところ尿道狭窄の予防は困難とされています。
排尿痛は、日常生活が原因となるものや、何らかの疾患が原因となっている場合もあります。排尿時の痛みが長引くなど、気になる症状があれば病院で診てもらうようにしましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。