記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
扁平足は土踏まずがほとんど無く、足の裏が地面にぴったりくっついている状態で、日本人によくみられる症状だといわれています。今回の記事では、扁平足の原因や改善法を解説します。
扁平足とは、土踏まずがなく、足の裏がほとんど、もしくは完全に地面に接している足のことを指します。扁平足の人全てが痛みなどの症状が現れるわけではありませんが、体重が増加して足への負担が増加した場合や、靴が足に合っていない場合、長時間の立ったままでいることが続くと、偏平足でない人にくらべ足が痛むなどの症状が現れやすい傾向があります。
扁平の原因の多くは、遺伝によるものとされています。その他の原因として以下のようなものがあります。
・胎児の時期に子宮内で足の骨が正しく形成されなかった
・エーレス・ダンロス症候群や関節過度可動性症候群などが原因で身体全体を通して結合組織が緩くなっている
・脳性麻痺、脊髄破裂、筋ジストロフィーなどの、筋肉や神経に影響を及ぼす病気
・足の酷使、足に合っていない靴、怪我、加齢、肥満、関節リウマチなどにより、足の結合組織が引き伸ばされ炎症を起こしている
通常、扁平足であっても痛みが起こるはほとんどなく、治療の必要もありません。しかし、まれに以下のような問題が起こることがあります。
・足、足首、下肢、膝、腰、下背の痛み
・足の過度な回内(オーバープロネーション:着地時にかかとが内側に倒れこんでいる状態)により靴が摩耗しやすくなり、怪我に繋がる可能性がある
・足の中や周囲の骨、筋肉、結合組織(靭帯など)の基礎疾患
これらの問題があらわれた場合は、治療を受けることをおすすめします。
扁平足は、痛みやオーバープロネーション、基礎疾患を伴う場合にのみ治療が必要となります。
手術以外の治療法が先にすすめられることが多いですが、一部の症例では手術が必要な場合もあります。以下に治療法をそれぞれ解説します。
通常は手術以外の以下の方法が推奨されます。
・自分の足に適した、しっかり足を支えてくれる靴を使用する
・過剰な回内を防止する特別なインソール(矯正具)を靴に着用する
・足に不快感がある場合は、鎮痛剤を服用する
・肥満が原因の場合は減量する
・下肢(脚全体)の筋肉や結合組織をストレッチして可動域を改善する
・理学療法士から効果的な運動を教わる
これらの治療は足の形を変えるものではないですが、扁平足に伴う問題の改善が期待できます。
通常、上記の治療の効果がない場合、もしくは足に異常に発達してしまった骨があるなど、手術で治せる基礎疾患がみられる場合にのみ、手術が検討されます。
形や結合に異常がある骨は、まっすぐにしたり分離させたりする必要がありますが、結合組織の異常しかみられないような扁平足の場合は、問題のある組織を延長したり修復したりすることで治療が可能とされています。
扁平足は放置したままだと、足が疲れやすくなったり、痛みがあらわれる可能性もあります。裸足で歩いたり、足の指を意識して使う、またはストレッチをするなど、足裏の筋肉を鍛えることを心がけましょう。