記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ひと口に睡眠障害といってもいろいろな種類があり、その原因もさまざまです。とくに大きく影響を及ぼしているのは、個人の生活習慣といえるでしょう。では、どのような点に気をつければよいのでしょうか?
「睡眠」に関して、なんらかの問題がある状態を総称して、「睡眠障害」といいます。
「眠れないこと」をイメージする人も多いと思いますが、昼間、「眠くてしょうがない」「睡眠中に異常な行動をみせる」といった症状も睡眠障害に含まれます。
睡眠の主な目的は、夜に眠ることによって昼の活動で疲れてしまった体と心を休ませ、疲労回復を図ることです。睡眠障害を発症すると、その目的を果たせないばかりか、昼間の行動そのものにも悪い影響を及ぼします。
睡眠障害は「眠れない」「眠りすぎに加え、過剰な眠気」「睡眠中に異常な動きや言動をみせる」の3つにわけられます。
また、睡眠障害を放置すると、うつ病や生活習慣病を発症することがあり、うつ病などの症状として睡眠障害が現れることもあります。
眠れない日々が続くと、日中にも疲労感が現れるようになり、判断力の低下や協調性のなさ、記憶力の低下、イライラなどの不調の原因になります。また、不眠症の人は十分な睡眠が取れないことを心配してしまうことで不安の度合いを高め、不眠症をさらに悪化させることもあります。
就寝中にときどき呼吸が止まったり、ひどいいびきをかく「睡眠時無呼吸症候群」も睡眠障害の代表的な症状であり、日中の疲労感につながる可能性があります。
また、睡眠を十分にとれていないため、日中に居眠りするようになることも大きな特徴です。これは仕事中や運転中など、時間や状況に関わらず起こる可能性があるため危険です。このような日中の眠気は、ナルコレプシーの可能性があるので、早めに病院で検査しておきましょう。
睡眠障害の原因にはさまざまなものがあり、人によって症状の出方にも違いがあります。ただ大きく分けると、心理的要因、身体的要因、精神医学的要因、薬理学的要因、生理学的要因などがあり、これらは単独で起こることもあれば、複数が絡み合って起こることもあります。
心理的要因は、日常生活の中でストレスや緊張を抱え込んでしまった場合に引き金となります。ストレスは誰でもあるものですが、それが普段の心理状態に大きな影響を及ぼしているようであれば注意が必要です。
身体的要因は、別の疾患を抱えていたり、ケガをしてしまった場合に要因となります。
精神医学的要因は、抑うつ状態が続いていたり、精神的な病気を抱えている状態を指します。
薬理学的要因は、飲んでいる薬の副作用やカフェイン、アルコールの摂りすぎが要因となる状態、生理学的要因は、睡眠環境の変化や生活習慣に睡眠を妨げるような変化があった状態をいいます。
• ベッドで本を読んだり、テレビを見たりしないようにしましょう。
• 寝るときは快適な服を着ましょう。
• カフェインとニコチンは覚醒作用があるので、就寝前は両方の使用を避けましょう。
• 就寝時間と起床時間を毎日同じ時間にしましょう。
• 就寝2時間前から運動はしないでください。
• 夜間の睡眠を妨げる可能性があるため、日中は昼寝を長時間しないでください。
• 日中は明るい光を十分に浴びましょう。
• 寝室が静かで暖かく、穏やかな環境にセッティングしましょう。
• 寝室が明るすぎないようにしましょう。街路灯や通路のライトもさえぎるようにしてください。必要に応じて黒い裏地のあるカーテンを使いましょう。
• ベッドに入って30分以内に寝付けない場合は、起きて何か他のことをしてください。寝返りを打ち続けていると、ベッドとフラストレーションが結びつけられてしまいます。
• アルコールは睡眠障害を引き起こす可能性があるので、寝る3時間前から飲酒しないでください。
今回、ご紹介した方法で、睡眠障害の多くは改善されると思われます。しかし、変化がみられない場合は、重症化していたり、別の大きな疾患が進行していることもありますので、早めに病院に相談しましょう。