記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
これから乾燥する季節になりますが、風邪を引くことが多くなるでしょう。風邪は数日間で治りますが、肺炎になると治るのに時間がかかり、入院のリスクも高くなります。でも、風邪と肺炎って、どう違うのでしょうか? この記事では、肺炎についてまとめています。
肺炎は、主に細菌やウイルスが肺に感染して炎症を起こし、様々な症状が現れる感染症です。肺炎球菌などの細菌が原因で起こる細菌性肺炎と、ウイルスが原因で起こるウイルス性肺炎、少し特殊な細菌(マイコプラズマやレジオネラ菌)が原因で起こる非定型肺炎などに分けられます。
感染する環境や原因となる細菌、ウイルスによって症状や治療法が変わってきます。早期に適切な治療を行えば問題なく完治することがほとんどですが、治療を始めるのが遅れて重症化してしまうと死につながる恐れもあるので注意が必要です。
一般的には、風邪は症状が現れれてから1週間程度で回復するのに対し、肺炎は1週間以上高熱や激しい咳などの症状が続き、全身症状や呼吸困難などを伴うといわれていますが、上記でも説明しているように、肺炎の症状は状況によって大きく違ってくることもあるので、専門知識がない人が見分けることは困難です。
肺炎の中には、初期に自覚症状が現れず次第に悪化していくものや、風邪の二次感染として発症するものもあります。疑わしい症状があるときには自己判断せず、必ず病院で検査してもらいましょう。
肺炎の一般的な症状として、下記のものがあります。
・38.5度以上の発熱を起こし、悪寒や震えがある
・咳
・呼吸困難: 呼吸は急速で浅く、安静時でも息苦しさを感じることがある
・緑色、赤錆色の痰が出て、血が混ざることもある。ただし、痰が出ない肺炎もある
・寝汗
・浅く速い呼吸。心拍数の上昇。
・胸の痛み(呼吸と咳によって悪化する)
・疲労。身体の衰弱(全身倦怠感)。錯乱(とりわけ高齢者に多い)。
・咳: 乾いているか、濃い黄色、緑色、茶色または血液が混じった粘液(痰)を伴う
以下のグループは、高い肺炎発症リスクが高いといわれています。
・赤ちゃんや幼い子供
・高齢者
・喫煙者
・心臓、腎臓もしくは肝臓の状態などの他の健康状態に問題がある人
・免疫系に問題がある人(インフルエンザなどの病気の直後の人、HIVに感染している人、癌の化学療法を受けている人など)
・アルコールやドラッグの濫用
・慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、気管支喘息などの肺疾患が背景にある
この記事を読んで、心当たりがあれば、すぐに病院を受診しましょう。発熱や息苦しさ、胸の痛みなどは特に注意が必要です。