1歳未満の赤ちゃんのインフルエンザの予防&対処法とは?

2017/9/26 記事改定日: 2018/2/20
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

赤ちゃんがインフルエンザに感染した場合、症状の現われ方に大人と違う特徴があります。
また、重症化しやすいので大人よりも注意すべきことがたくさんあります。
1歳未満の赤ちゃんのインフルエンザ予防&対処法について、この記事で詳しく見ていきましょう。

赤ちゃんがインフルエンザにかかったときの症状

赤ちゃんがインフルエンザに感染した場合、発熱よりも先に下痢や嘔吐が現れることが多いです。そのため、すぐにはインフルエンザだと気づかない可能性があります。
もうひとつ特徴的なのは二峰性発熱(にほうせいはつねつ)と呼ばれる、上がった熱が一旦(1日~1日半ほど)下がって再度高熱を発症するという症状です。インフルエンザだと診断された場合は、一度熱が下がっても数日様子を見てから完治したかどうかを判断しましょう。

また、赤ちゃんは大人に比べて免疫力が低いため、症状が重症化したり、肺炎、中耳炎、インフルエンザ脳症などの合併症を発症する可能性が高くなります。そのような事態を避けるためにも、早めに治療を受けることが大切です。

赤ちゃんがインフルエンザになったときの対処法は?

赤ちゃんがインフルエンザになったときの対処法は、大きく分けて「抗インフルエンザ薬による治療」と「抗インフルエンザ薬を使わない治療」の2つに分かれます。
原則として1歳未満の赤ちゃんに抗インフルエンザ薬を使用することはできませんが、発症後にインフルエンザ脳症をはじめとした命に関わる重大な合併症が起こりやすいことから(0~4歳の子供においては、毎年100例近いインフルエンザ脳症の発症が確認されている)、医師の判断によっては抗インフルエンザ薬による治療が行われることも少なくありません。

タミフル®(オセルタミビル)を使用する場合

インフルエンザによる合併症が懸念される場合や症状が重い場合には、赤ちゃんの充分な観察と親御さんとの話し合いを経た上で抗インフルエンザ薬を処方することもあります。
タミフル®はA型・B型インフルエンザに効果のある抗菌薬で、粉薬とカプセルタイプがあります。

タミフル®は生後2週目以降の赤ちゃんに使用できる薬ですが、使用した場合には赤ちゃんが異常行動を起こす可能性があることの説明が義務付けらています。医師と納得がいくまで話し合ってから投与するかどうかを決めましょう。

抗インフルエンザ薬を使用しない場合

一方で、インフルエンザ発症から48時間が経過した場合や(タミフル®はインフルエンザ発症後48時間以内に効果を発揮するため)、重症化が心配ないと判断された場合には抗インフルエンザ薬を使わずに以下のような方法で対処することもあります。

◆母乳、ぬるま湯、経口補水液などを飲ませて水分補給をする
◆ウイルスの繁殖を防ぐため、部屋の換気をこまめに行う
◆寒気がしないようなら、衣服を薄着にしたり脇の下を冷やすなどの方法で熱を冷ます

1歳未満の赤ちゃんはインフルエンザワクチンを接種できるの?

生後6ヶ月以上であればインフルエンザの予防接種を受けることはできます。
ただし、インフルエンザのワクチンは1歳未満の赤ちゃんへの効果があるかどうか判断が難しいため、医師によっては赤ちゃん本人よりもその家族へのワクチン接種をすすめることがあります。
ただし、保育園に通っているなど集団感染のリスクが考えられる場合には、医師の判断によりますが、ワクチン接種が行われる可能性が高いです。

また、赤ちゃんが卵アレルギーの場合は注意が必要です。
最近のインフルエンザワクチンは高度に精製されているので卵の成分はほとんど残りませんが、製造の過程で鶏卵にインフルエンザウイルスを接種して培養・増殖させているため、卵の成分がわずかですが含まれているからです。
ほとんどの場合は予防接種をしても問題ありませんが、体質やアレルギーの程度には個人差があるので、予防接種を受ける前に必ず医師に赤ちゃんが卵アレルギーであることを申告しましょう。
医師がインフルエンザを接種することの有益性が卵アレルギーの症状が起こるリスクより高いと判断した場合には、ワクチン接種が行われます。

予防接種は接種後30分間にアナフィラキシーショックなどの急性のアレルギー反応が起こりやすいといわれており、特に卵アレルギーの場合は予防接種後に慎重に経過を観察することが重要です。
アナフィラキシーショックが起きた場合にもすぐに対応できるよう、少なくともワクチンの接種後30分間は病院内で待機してください。待機が難しい状況である場合は、すぐに病院に連絡できる状態でいるようにしてください。

ワクチン以外の予防法について

ワクチン接種以外にも、インフルエンザから赤ちゃんを守る方法はあります。
例えば、人が多いところに行く、インフルエンザウイルスを保持している人と接触する確率が上がり、感染リスクも高くなるので、赤ちゃんを連れて外出する際はなるべく人混みを避けましょう。

また、手洗いを徹底することも大切です。手にウイルスや細菌が付着した状態のままで赤ちゃんに触れると、赤ちゃんがインフルエンザに感染するリスクが高まるからです。
外出から帰ったときなとは石けんなどを使用して、念入りに手洗いをしましょう。手の甲→指の間→親指→指先と手の平→手首の順に30秒以上かけて洗い、水で流した後は清潔なタオルで水分を拭き取ってください。

おわりに:赤ちゃんをインフルエンザから守ろう!

赤ちゃんがインフルエンザになっても抗インフルエンザ薬による治療が可能な場合も多いですが、まずはインフルエンザにかからないように家族と協力して予防を徹底しましょう。
ですが、赤ちゃんは免疫力が低いため、インフルエンザにかかると重症化したり合併症を招きやすくなったりと、大人と比べて危険性が高くなります。インフルエンザが疑われる場合は、できる限り早く病院に連れて行きましょう。

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