鼻づまりと耳のトラブルには関連性があるって本当?

2017/9/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

鼻づまりによって耳のトラブルが起きるというのは本当でしょうか? また、どのような症状が起こり得るのでしょうか?
この記事では、鼻づまりと耳のトラブル関係性の真偽や原因、対処法などをご紹介します。

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鼻の状態が耳のトラブルに影響を及ぼすことがあるのはなぜ?

鼻の状態によって耳のトラブルが起きるのは、鼻と耳が耳管(じかん)という通路でつながっているからです。

耳管はふだんは閉じていますが、外気との気圧を調整するときに開いて耳詰まりをなくしたり耳通りをよくします。
ところが、鼻づまりなどで鼻の粘膜が炎症を起こしていると、耳管の開閉がスムーズにできなくなり様々な耳のトラブルを招いてしまうことがあります。
以下の項目で、鼻づまりに関係する代表的な耳のトラブルを見ていきましょう。

鼻づまりと関連がある耳のトラブル:中耳炎

鼻水は細菌や汚れなどを体外に排出する役割を担っていますが、鼻づまりを起こすと鼻水が外に出にくくなります。そうすると、鼻をすすった拍子に鼻をかんだときに出し切れなかった鼻水を吸ってしまう機会が増え、細菌を含んだ鼻水が耳管を通って耳に侵入して鼓膜の内側にある中耳という部分が炎症を起こします。
鼻がつまると中耳炎になりやすいのは、このためです。

中耳炎になると、耳の痛みや耳だれ、難聴などの症状が現れ、放置すると聴力の低下を招くリスクがあるので、早めに耳鼻科で治療を受けましょう。

鼻づまりと関連がある耳のトラブル:鼻を勢い良くかみすぎた

鼻が詰まっていると、鼻水を出し切ろうとして強くかんでしまいがちです。思いきり鼻をかんだあとに耳がキーンとなった経験があるのではないでしょうか?

しかし、鼻を強くかみすぎてしまうと中耳に圧力がかかってしまいます。
強すぎる圧力は、耳が痛い、耳に鼻水が入り込んで中耳炎を引き起こす・・・など、様々なトラブルの原因となるのです。

正しい鼻のかみかた

ここでは、耳が痛くならない鼻のかみかたを紹介します。
痛みだけでなく中耳炎などのリスクも遠ざけることができるので、ぜひ今日から正しい方法を実践しましょう。

1:鼻は片方ずつかむ
鼻水は反対の鼻を押さえながら片方ずつ出していきましょう。
両方を同時にかむと、鼻水が鼻の奥に入りやすくなってしまうからです。

2:少し下を向き、口を閉じる
下を向くことで鼻水が出やすくなり、鼻腔や中耳にかかる負担を減らすことができます。また、下を向くと耳管が垂直になり、鼻水の侵入を防ぎやすくなることもポイントです。

そして、鼻をかむときの空気がすべて鼻から出るように口を閉じた状態で行いましょう。

3:鼻をかむときはゆっくり、やさしく
鼻水を出し切るために勢いよくかんだ方がいいのでは?というイメージがあるかもしれませんが、鼻を強くかみすぎると鼻腔の圧力が高くなり、中耳を傷つけやすくなってしまいます。一度に鼻水をすべて出すのではなく、数回にわけてスッキリさせるように心がけましょう。

おわりに:耳の違和感がしばらく続いているようなら、病院で検査を受けよう

風邪などの細菌が鼻水を介して耳にうつったり、間違った鼻のかみかたで中耳炎を引き起こしたり・・・鼻の状態と耳のトラブルには深い関係があります。

耳のトラブルは聴力の低下につながりかねないので、耳の痛みや違和感が続いている場合は早めに病院で検査を受けましょう。

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