記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/9/28
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
現代社会では目を使うことが多く、仕事ではパソコン、プライベートではスマホを使うので、目は疲れきっています。まぶたや目の辺りがピクピクと痙攣することはありませんか? この記事では、目や目の周りの痙攣が起こる病気についてまとめてみました。
目や目の周りの痙攣には、眼瞼痙攣と顔面痙攣があり、それぞれ原因が違います。
片方の目の周りや、頬や口の周囲がピクピク動くのが「顔面痙攣」で、無意識に片側の目の周りや顔の筋肉が動いてしまう病気です。ひどいときには顔がゆがんでしまうこともあります。
眼瞼痙攣は、目の開け閉めがうまくいかず、瞬きが増えてしまうなどの症状が現れる病気であり、目の周りがピクピク動かないこともあります。
目や目の周囲の痙攣の原因である「眼瞼痙攣」と「顔面痙攣」について詳しくお伝えします。
眼瞼痙攣とは、まぶたを開閉するスイッチがうまく動かなくないことで発症し、制御不能のまぶたの持続性の痙攣が起こる病気です、両方に起こることもあれば、片方だけに起こることもあり、なかなか治りません。
多くは原因が不明ですが、安定剤、睡眠導入薬、抗精神病薬などの薬物の影響や、化学物質にさらされていることが誘引になっている場合があります。
・まぶしい
・目が乾いた感じがする
・目をつぶっているほうが楽
・自然と両目あるいは片目が閉じてしまう
痙攣以外に、上記の自覚症状が伴って現れることもあります。
顔面痙攣とは、正式には、片側顔面痙攣といわれます。顔の片方だけがぴくぴくと動いて、ひきつれる状態です。片側の目をつぶるための筋肉や笑うときに使う筋肉、口の開閉に使う筋肉が制御不能となり、収縮と弛緩を繰り返します。男性に比べ、女性は発症数が2倍といわれています。
目の周りがピクピク痙攣することから始まり、進行すると顔全体の筋肉が意思に反して収縮するようになり、最終的には目の周りから頬のあたりまでがひきつれ、口や顎、顔全体が歪んだ状態になります。人によっては、精神的な緊張などによって症状が現れるケースもあるようです。
病気がひどくなると他人の目が気になるため外出を嫌がり、他人と会うことを避けるようになります。一時的に良くなることはありますが、自然に治ることはないと考えられています。
最近話題になっているものに、眼瞼ミオキミアという目の痙攣があります。
これは、眼輪筋という目の筋肉の攣縮が起こり、上まぶたや下まぶたがさざなみ状に動きます。一般的には、片目に起こることが多いです。
眼精疲労やストレス、睡眠不足から起こることが多く、数日から数週間で、自然に治まります。精神的なストレスが原因のことが多く、コーヒーで症状が強く出る場合があります。
眼瞼痙攣が重症になると、目を開けていることができなくなります。上下のまぶたが硬く閉じられ、まぶたの周囲や眉間にしわが寄る特有な顔になります。
軽症や中等症例では、さまざまな自覚症状があり、気になって仕事や家事などに集中できなくなるほどの不快な症状が強く、継続します。
また、眼瞼痙攣はドライアイと誤診され治療されている症例が多くみられます。ドライアイの治療を長期間続けていても一向に改善がみられない場合は、眼瞼痙攣を疑ってもいいかもしれません。その他、ドライアイの人には見られないような、町を歩いてるときに人や物にぶつかる、ぶつかりそうになる、車や自転車で事故を起こしやすいことなどがみられたときも注意が必要です。
顔の筋肉が意図していないのにピクピク動く場合や、口を横に「イーッ」と引き伸ばしてみて、うまく口が横に伸びない場合は注意したほうがいいかもしれません。
また、思いっきり目をつぶってからパッと開いたあとにまぶたの下に痙攣が出るという特徴もあるので、試してみてもいいでしょう。
たかが目の周りがピクピクするだけと思って治療しないでいると、大事故を起こす危険があります。不安に思う症状がある場合は、眼科や神経科を受診して適切な治療を受けましょう。