記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脱水症状は、汗を大量にかいたときや暑い環境で過ごしていることが原因で発症します。夏場や運動時に多く発症しますが、一年を通じて発症の可能性があるため、油断はできません。この記事で脱水症状のことを正しく理解し、予防に役立てましょう。
人間の体の約6割が、血液やリンパ液、粘液、唾液、消化液、尿などの体液(水分)で構成されています。
人は毎日1500~2500mlの水分を自然に失っているため、それに対して、食べ物や飲み物、代謝水(体内のエネルギー代謝により発生する水分)をあわせて、1日に2500ml程の水分を補給する必要があるのです。
激しい運動などで汗を多くかいたり、発熱、嘔吐、下痢などの体調不良、夏の気温上昇などが原因で体から水分が大量に失われてしまうと、水分の補給が間に合わなくなり体液バランスが崩れて脱水症状に陥ります。
脱水症状は、以下のような場合に起こりやすくなるといわれています。
・特に夏などの暑いとき
・発熱、嘔吐、発汗により水分の排出量が増えたとき
・体調不良で食事があまり取れないとき
・利尿剤を服用している
・慢性呼吸器疾患、糖尿病、脳血管障害や認知症を患っている人
脱水症状になると、以下のような症状があらわれます。
・口が渇く
・めまい
・ふらつき
・頭痛
脱水症状が重度になると、嘔吐、意識障害、けいれん、昏睡、錯覚、幻覚などの精神症状が起こることもあります。
このような場合、命に危険を及ぼす場合があるため、脱水になる前に水分を補給することが重要です。
脱水症状を予防するためには水分補給が大切ですが、水分が体外に排出されるということは、ミネラルも同時に排出されているため、ミネラルも同時に補給する必要があります。
入浴前後、就寝前、起床直後、運動中、運動前後、飲酒後は、こまめな水分補給をこころがけましょう。
水分だけではなく、ミネラルも補給することが大切です。大量の汗をかいたときに水分のみを補給することにより、血液中の塩分が薄まります。そうすると、体は体液の濃度を元に戻そうと水分を細胞外に排出してしまうため、その結果脱水症状を起こすことになります。
水を飲むときは温度に注意しましょう5~15℃が適温といわれており、冷たすぎると飲みにくく感じます。逆に水の温度が高いと、吸収のスピードが遅くなるといわれています。
大量に汗をかいた場合はミネラルの補給が大切なため、スポーツドリンクよりも糖分が少ない、経口補水液を飲むことをおすすめします。また、緑茶やウーロン茶には、利尿作用が含まれているため避けるようにしてください。
夏場の気温が高くなるときや、スポーツ中、体調が悪いときなど、体から水分が失われやすいときは、こまめに水分補給をするようにこころがけましょう。また、ミネラルを補給することも忘れないようにしましょう。