溶連菌感染症とは、どんな病気?

2017/9/29 記事改定日: 2018/12/24
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

喉の痛みを引き起こす病気にはいろいろありますが、子供への発症例が多い溶連菌感染症は、重篤な合併症を引き起こすこともある注意すべき感染症です。
この記事では、溶連菌感染症についてまとめています。

溶連菌感染症の特徴

のどの痛みのほとんどは、ウイルスや細菌による炎症です。
その原因となる細菌の中でもとくに怖いものもののひとつに、溶連菌があります。

溶連菌は喉の痛みを引き起こす咽頭炎の原因菌として知られていますが、

  • 膿痂疹
  • 蜂巣織炎
  • 猩紅熱
  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 化膿性関節炎
  • 骨髄炎
  • 髄膜炎

などの疾患を引き起こす可能性もあります。。

溶連菌について

溶連菌は正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれ、α溶血性とβ溶血性の2種類があります。一般的に溶連菌と呼ばれるものはβ溶血性であり、A群、B群、C群、G群などに分けられ、溶連菌感染症の90%以上がA群β溶連菌による感染といわれています。

溶連菌感染症は、菌の侵入する部分や組織によって違った症状が現れます。

溶連菌感染症の症状とは?

溶連菌感染症の代表的な症状は、38℃から39℃の高熱とのどの痛みです。ただし、3歳未満の小児は熱が出ないこともあります。その他、赤い発疹や舌にイチゴに似たブツブツ(イチゴ舌)ができ、頭痛やリンパ節の腫脹が現れることもあります。

潜伏期間は2日から5日程度といわれていますが、感染してすぐに発症するケースもみられます。また、発症後は感染力が強くなるため、周囲の人も注意が必要です。

自然治癒することはある?

溶連菌感染症は、治療を受けなくても自然に治ることがあります。しかし、溶連菌感染症は発症後二週間経った頃に合併症として腎炎を発症することがあり、適切な治療を受けなければ将来的にも腎機能低下が後遺症としてのこることがあります。また、まれに心臓の弁に病巣を形成して重篤な心臓弁膜症を発症することもあるため、適切な治療を行うのはもちろんの事、治癒後も経過観察が必要です。

また、溶連菌感染症は抗生物質の服用によって細菌を排除しないと、扁桃などに慢性的な炎症を引き起こして高熱や咽頭痛を繰り返す原因になることもあります。
溶連菌が疑われる症状があるときは、放置せずに必ず病院を受診して治療を受けるようにしましょう。

溶連菌感染症の治療方法とは?

抗生物質の服用で、2~3日で熱は下がり、風邪と同様、全身の症状も4~5日のうちに消えます。ただし治療せずに放置すると、合併症として急性糸球体腎炎やリウマチ熱を起こす可能性があるので注意が必要です。また、症状が治まったからと薬の服用を止めてしまうことも合併症を起こす原因のひとつになります。抗生物質は医師の指示通り必ず最後まで飲みきってください。

また、溶連菌感染症は大人もかかる可能性があり、咳やくしゃみなどで飛沫感染します。家族の誰かが発症したときは手洗いやうがいなどを徹底し、感染予防に努めましょう。

溶連菌の感染経路と予防対策

溶連菌の感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
感染者の唾液や、くしゃみ・咳などのしぶきの中に含まれる溶連菌を他者が吸い込んで感染したり、排出された溶連菌が付着したものに触れ、その手で口や鼻を触ることで感染することがあるのです。

感染予防としては、感染者が近くにいるときや溶連菌感染症が流行しているときはマスクを着用して、こまめな手洗いや手指消毒を行うことが大切です。また、家族内に感染者がいる場合は、ドアノブや電気スイッチなど手が触れやすい部位はこまめにアルコール消毒するとよいでしょう。

おわりに:ひどいのどの痛みは溶連菌かも。気になる症状があるときは必ず病院へ

子供がひどい喉の痛みを訴えたら、溶連菌感染症の可能性があります。早めに小児科を受診させましょう。
また溶連菌には大人も感染することがあります。手洗いやうがいなどの予防を徹底し、疑わしい症状があるときは、必ず病院で検査してもらいましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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