化膿性関節炎は何が原因なの?どうやって治療をするの?

2017/12/1 記事改定日: 2018/12/26
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

関節の腫れや痛み、発熱などの症状が長く続いている場合、疑ってほしい病変があります。それは「化膿性関節炎」です。
詳しい症状や原因、治療法について以降で解説していきますので、治療のタイミングが遅れないようにするためにも、きちんと覚えておきましょう。

化膿性関節炎とは

化膿性関節炎とは、何らかの原因によって細菌が関節内に侵入し、関節内が化膿してしまう病気のことをいいます。化膿性関節炎の原因となる細菌には、黄色ブドウ球菌・連鎖球菌・肺炎球菌・メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)などがあります。この中でも特に黄色ブドウ球菌が原因になることが多いです。

関節内が化膿している状態が続くと、関節の表面の軟骨が壊されてしまいます。
そして骨まで破壊がすすむと、関節が変形してしまったり関節が上手く動かなくなったりなどの障害が残ってしまうこともあります。

化膿性関節炎の症状

化膿性関節炎になると、関節の痛みや腫れといった症状が現れます。触るとその部分が熱く感じることもあります。また悪寒がしたり発熱があったり、倦怠感や食欲不振などの全身症状が見られる場合もあります。

関節の炎症が長く続いた時には、関節を包んでいる膜が伸び切ってしまって稀に脱臼を起こすこともあります。
その後悪化が進んでくると、皮膚に孔があいて膿が出る症状が見られるようになります。

赤ちゃんの症状の特徴

赤ちゃんの股関節は深い位置にあるので、赤ちゃんが化膿性関節炎になると関節の状態が分かりにくくなってしまいます。痛みが強いので、オムツを交換するときにひどく泣く場合や、関節を動かさないような様子がみられるときは病院を受診した方がいいでしょう。

化膿性関節炎の原因

化膿性関節炎の原因は細菌です。

細菌が侵入するのには3つの経路が考えられます。まず1つめは敗血症や扁桃炎、膀胱炎など、ほかの部位に感染した細菌が血流によって関節に移動して感染したものです。
2つめは関節の近くで起きた化膿性骨髄炎が関節にまで広がったもの、3つめは関節まで達する怪我をした際に、細菌が直接関節内に侵入したものです。

ただ、ごくまれに関節注射などの医療行為によって感染することもあります。
また、糖尿病の人や血液透析を受けている人、副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤を服用している人は、感染症に対する抵抗力が落ちているので、化膿性関節炎にかかりやすいといわれています。

化膿性関節炎の治療法

化膿性関節炎と判明したら、まず局所を安静に保つ必要があります。原因菌が特定できれば、その菌に対する抗生物質を点滴などで投与します。関節内に膿が溜まっている時には、注射器などで吸引することもあります。

その後は血液検査の結果を基に、炎症が治まるまで抗生物質の点滴や内服薬をつづけることになります。それでも炎症が続くような場合には、手術が必要になることもあります。

化膿性関節炎の手術

化膿性関節炎は悪化すると手術が必要になります。
手術では、病変のある関節部位を切開し、溜まった膿を取り除いて生理食塩水などで丁寧に洗浄します。また、炎症による関節内組織のダメージが大きい場合は、その組織を切除して感染や炎症を落ち着かせる「デブリードマン」と呼ばれる治療が行われます。

さらに、術後は、関節内に管を留置した状態にして膿の排出を促したり、関節内に抗生剤を直接注入する治療が行われることもあります。
これらの治療は傷口を最小限に抑える関節鏡が使用されることもありますが、炎症が著しく関節に大きなダメージが加わっていることが予想される場合は関節を大きく切開して手術を行う必要があります。

おわりに:化膿性関節炎は早期治療が大切

化膿性関節炎は緊急性の高い病変なので、早急に治療を開始することが重要です。
扁桃炎などの病気にかかったり、大きな怪我した後に該当する症状がみられたら、化膿性関節炎の可能性があるのですぐに病院を受診してください。

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