記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
くしゃみが連続して出ると、体にも負担がかかるため辛いですよね。 なぜくしゃみが止まらないのでしょう? 今回の記事では、止まらないくしゃみの原因や改善法などを解説します。
くしゃみが止まらない原因として、以下のことが考えられます。
ウイルスが体内に侵入しようとしたときの反応によりくしゃみが出ます。くしゃみに伴って発熱や喉の痛みがある場合は風邪の可能性が高いです。
風邪の症状がないにもかかわらず、くしゃみが長く続く場合はアレルギー性鼻炎の可能性があります。アレルギー性鼻炎の原因として、ダニ、ハウスダスト、ペットの毛などがあります。また、花粉症もアレルギー性鼻炎のひとつです。
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)は、一日の中で気温の変化が激しくなる春先や秋口など、季節の変わり目に起こるアレルギー反応のことです。このアレルギー反応によりくしゃみが起こります。
呼吸するときに小さなゴミや埃、化学物質などを吸い込んだことにより鼻粘膜が刺激され、それらを体外へ吹き出す反応としてくしゃみが起こることがあります。
モーニングアタックとは、朝目覚めたときにくしゃみや鼻水が止まらなくなることをいいます。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経には血管を収縮させ、くしゃみや鼻水を抑える働きがありますが、目覚めた直後は交感神経への切り替えがうまくいかず、一時的働かなくなる場合があります。このため、朝にくしゃみや鼻水が起こりやすくなると考えられています。
また、寝ている間に床や布団に落ちてきた花粉やハウスダストを吸いやすかったりすることもモーニングアタックの原因のひとつといわれています。
くしゃみを予防するために、以下のことに注意しましょう。
・室内をこまめに掃除する
・部屋の温度・湿度を適正に保つよう心がける
・ハウスダストを予防するため、布団を天日干しする(ただし花粉の時期は避ける)
・ファー、ムートンの着用は避ける
・健康的な食事、十分な睡眠と規則正しい生活を心がける
くしゃみの原因の改善法を以下に解説します。
くしゃみの原因が風邪の場合、まずは風邪を治すことが重要です。その他については、以下を参考にしてみてください。
・空気が冷たいと鼻粘膜に刺激を与え、くしゃみが出やすくなるため、室温を25℃程度に暖める
・鼻、喉を乾燥させないよう、加湿器を使い部屋の湿度を保つ
・鼻の血行を良くするため、鼻の横をマッサージする
アレルギー性鼻炎の場合は、原因となるアレルゲンを除去することが重要です。以下を参考にアレルゲンの除去に努めましょう。
・こまめに掃除する
・室内に布製のカーペット、ソファー、ぬいぐるみなどを置かない
・ダニの死骸やハウスダストを取り除くため、布団や布団カバーは定期的に掃除機で吸引し、太陽光に当てる(ただし花粉症の場合は、外に布団を干すことで花粉が付着する可能性があるため気をつける)
・花粉症の場合は、マスクを着用し、帰宅時には玄関に入る前に衣服の花粉を払い落とす
・ペットの毛が原因となっている場合、寝室には入れないなど、居住空間を分ける
・病院で、抗ヒスタミン剤の経口薬や点鼻薬を処方してもらう
寒暖差アレルギーを予防するために、マスクの着用を心がけましょう。また、体を冷やさないようにすることも重要です。
モーニングアタックを避けるには、交感神経の働きを良くする必要があります。朝目覚めたときは、すぐに起き上がろうとせず、布団の中で指を動かすことで交感神経が活発になる場合があります。また、先述したアレルギー性鼻炎を対策することも効果的とされています。
連続して出るくしゃみは体の負担となり疲労の原因にもなるため、日常生活に悪影響が出ることもあるでしょう。くしゃみが止まらない場合は、その原因を突き止め、原因にあわせた対策とることをおすすめします。