痔瘻(じろう)はなぜできる? どうすれば治療できる?

2017/10/3

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

おしりの周りがズキズキと痛んで膿が出たり、高熱で苦しんだりする「痔瘻(じろう)」。特に中年以降の男性に多いといわれていますが、そもそも痔瘻はなぜ発生するのでしょうか?治療するにはどうすればいいのでしょうか?

痔瘻(じろう)とは

痔瘻(じろう)とは、肛門付近が炎症を起こして膿が溜まり、肛門付近の皮膚と直腸との間にトンネルができた状態のことです。別名「あな痔」とも呼ばれます。痔瘻になると、化膿している肛門付近が腫れて痛んだり、高熱が出たりします。

なぜ痔瘻ができてしまうの?

痔瘻は、「肛門周囲膿瘍」が進行したことが原因で発生すると考えられています。肛門周囲膿瘍とは、直腸と肛門の間にあるくぼみ・肛門陰窩(こうもんいんか)に下痢便などが溜まり、細菌感染したことで発生した膿の袋のことです。この袋が破れ、膿を出すために肛門周囲に穴があいたとき、痔瘻が発生するといわれています。

痔瘻ができてしまったときの対処法は?

痔瘻の症状は、トンネルから膿が排出されたときに一時的に緩和しますが、このトンネルがある限り再び膿が出てしまうので、手術が必要になります。具体的な手術の方法は以下のとおりです。

切開開放術

トンネルに沿って皮膚を切開し、トンネルを切除するタイプの手術です。一般的な手術法ではありますが、痔瘻の程度によっては術後の肛門機能に悪影響を与える可能性があるため、実施できないことがあります。この手術の場合は、基本的に入院が必要になります。

くり抜き術

トンネルだけをくり抜く手術です。術後の肛門機能障害の恐れが少なく、回復が早いというメリットがありますが、縫合した部分が破けて再発してしまう恐れがあります。

シートン法

痔瘻のトンネルにゴム状の医療器具を通し、ゴムを徐々にしばることで痔瘻組織を壊死させ、ゆっくりとトンネルを除去していく方法です。定期的にゴムを締め直す必要がありますが、治癒率が高く、肛門機能への負担も少ないので、この手術法を推奨する病院も多いです。

どうすれば痔瘻を予防できる?

先述のとおり、痔瘻は肛門陰窩に下痢便が溜まったことで引き起こされることが多いといわれています。その点から、痔瘻を予防するには下痢をしないようにすることが大切です。下痢をすると必ず痔瘻になるというわけではありませんが、免疫力の低下も肛門周囲膿瘍を発生しやすくする原因でもあります。「日頃から栄養バランスのいい食事をとる」「刺激物や脂っこいもの、アルコールの過剰摂取など下痢を誘発する食事を避ける」「ストレスを発散し、規則正しい生活を送る」といったことを心がけるようにしましょう。

おわりに:痔瘻の症状がみられたら、早めに病院で診てもらおう

痔瘻は自然治癒したり、市販薬で治療できたりするものではないので、基本的には手術をしてトンネルを除去することが必要になっていきます。痔瘻の症状がある方は、なるべく早く専門医を受診するようにしてください。

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