胃腸炎の原因とは ― 夏も冬も注意しよう!

2017/10/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胃腸炎は、急に症状があらわれ、辛い嘔吐や下痢を引き起こします。これは、夏と冬で原因が異なるため、注意が必要な病気です。今回は、胃腸炎について解説します。

急性胃腸炎とは

急性胃腸炎とは、突然の嘔吐や下痢を発症する病気です。急性胃腸炎は、ほとんどが感染性胃腸炎で、ウイルスと細菌が主な原因とされていますが、ウイルスによるものがほとんどです。

急性胃腸炎の種類

急性胃腸炎は、細菌感染とウイルス感染とに分類されます。
ウイルス感染の場合、水溶性の下痢や嘔吐の症状があらわれます。一方、細菌感染の場合、以下のような症状があらわれます。

・嘔吐、下痢
・重症化した場合、膿性あるいは血液混入した下痢
・発熱
・腰痛
・血圧低下、意識障害などのショック症状

夏の胃腸炎と冬の胃腸炎の違い

夏と冬では以下のように症状に違いがみられます。

夏の胃腸炎

夏には、食中毒、感染性胃腸炎が多く発生するといわれています。

冬の胃腸炎

冬には、以下のような感染性胃腸炎(多くはノロウイルス)、ウイルス性の食中毒が多く発生するといわれています。

・ノロウイルス
・ロタウイルス
・腸管アデノウイルス

予防と治療の方法について

胃腸炎の予防と治療法について以下に解説します。

予防法

胃腸炎の予防法は以下のとおりです。

手や指に傷がある場合は手袋をして調理する

手や指に傷がある場合、手袋を着用して調理するようにしましょう。
手や指の傷に細菌やウイルスが付着していた場合、そこから食材などに細菌やウイルスが付着する場合があります。たとえ絆創膏を貼っていても細菌やウイルスから産生する毒素が食材に付着することがあります。

手洗いをする

感染性胃腸炎の場合、感染している患者の吐瀉物を処理した後、手洗いが不十分だった場合に感染することが多いとされています。汚物処理後以外にも調理や食事前には必ず手洗いをするようにしましょう。

十分な加熱処理をする

ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、十分に加熱処理をすることが重要です。生ものは、中心まで火を通し、スープなどの汁物は十分沸騰させるようにしましょう。

予防接種を受ける

胃腸炎の原因となるロタウイルスには、乳児を対象とした予防接種があるので、可能であれば受けることをおすすめします。

治療法

胃腸炎の治療は、対症療法と脱水予防を中心に行います。特に乳幼児と高齢者は脱水になりやすいため、注意が必要となります。

対症療法

胃腸炎の腹痛や吐き気などがひどい場合は、治療薬で症状を抑える場合があります。
ただし、下痢の症状に対しては、水分摂取を心がけ、安静にしておくこが大切です。下痢は毒素や病原体を排出する働きもあるため、初期の段階では下痢止めは控えるようにしましょう。
下痢の症状が良くなってきたら、消化の良い食べ物を無理の無い範囲で食べるようにしてください。

脱水予防

下痢や嘔吐が続くと、脱水症状を起こす可能性があるため、糖分や塩分を含む水分を摂取し脱水を予防する必要があります。また、経口摂取が難しい場合は点滴により脱水予防を行います。

おわりに:急性胃腸炎のほとんどは対症療法。そのため予防が大切

急性胃腸炎の治療は、ほとんどが対症療法となります。そのため、手洗いや、食品の加熱など、予防に気をつけることが大切となります。

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