記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/12 記事改定日: 2019/3/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
さまざまな身体の不調を引き起こす「自律神経失調症」。
「治らない病気」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、本当に治すことはできないのでしょうか。
ここでは、自律神経失調症の治療法と治すためには何が重要になってくるかを解説していきます。
自律神経失調症は、発症の原因も症状も人によって違うことが多く、原因や症状に応じて治療方法も違ってきます。また、原因の特定が難しいことも多いので、治療が長引いてしまうことも少なくありません。
ただ、早期に発見し適切なアプローチができれば、基本的には治療可能な病気といわれています。
病院で行われる主な治療方法は以下のとおりです。
精神的なストレスなどの要因で自律神経失調症を発症している場合には、心理療法が非常に有効なことがあります。
心理療法では、医師や臨床心理士などによるカウンセリングを繰り返すことで、原因となる事柄の解決方法や回避方法を見つけ、ストレスを緩和させるという認知行動療法などが行われます。
ただ、心理療法の効果には個人差があり、効果のない治療を続けること自体がストレスとなってかえって症状が悪化することもありますので注意が必要です。
自律神経失調症の原因として、睡眠不足などの不規則な生活習慣が関与していることが考えられる場合には、規則正しい生活リズムに導くような生活指導が行われます。
また、対人関係などの悪化が原因と考えられる場合には、カウンセリングなどで人との交流方法を分析し、その欠点を改善するよう指導が行われるケースも少なくありません。
自律神経失調症は、セルフケアによっても改善が見込める病気です。セルフケアにおいては「ストレスのコントロール」と「生活習慣の改善」が重要になってきますが、これは医師と相談しながら病院の治療とあわせて取り組んで行くことをおすすめします。
具体的には以下のことを実践してみてください。
自律神経失調症はストレスと大きく関連しているので、症状を緩和するためにはストレスをうまく解消することが欠かせません。
まず、ストレスの原因に心当たりがあるなら、それをなるべく避けるようにしましょう。あとはお風呂にゆっくり浸かったり、カフェ巡りをしたり、好きな音楽を聴いたり、近くの公園を散歩したり、マッサージを受けたりなど、ご自身に合ったリラックス法を試してください。
体を動かすことは、ストレス発散にも適していますし、理想的な生活習慣の一端でもあります。ヨガやストレッチ、外でのウォーキングなど、リラクゼーション効果の高い運動が、より効果的でしょう。
自律神経を整えるためには、栄養バランスのいい食事を摂取することが非常に重要です。特に、自律神経を整える機能があるとされるビタミンB群やビタミンA、E、そして安眠効果が期待できるカルシウムを積極的にとることをおすすめします。
睡眠不足や夜更かしなどの生活リズムの乱れは、自律神経失調症の主要原因です。規則正しい時間に就寝・起床し、しっかり睡眠時間を確保するようにしましょう。
自律神経失調症の場合は、生活習慣を改善したり、ストレスを解消したりといったセルフケアで改善するケースが多いとされています。もしこういったセルフケアでも改善しない場合は、別の病気の可能性もありますので、早めに病院で検査を受けるようにしてください。
ただ、自律神経失調症を治すためには、病院の治療とあわせて生活習慣の改善が必要になってくることは忘れないようにしてください。