記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「パーソナリティ障害」という病気を知っていますか?大半の人は、病名なら聞き覚えはあるけれど、どんな障害かはご存知ないのではないでしょうか。この記事では、そんなパーソナリティ障害の種類や特徴について詳しく解説していきます。
パーソナリティ障害とは、大多数の人とは違う反応や行動をするために、社会に適応できず本人が苦痛を感じていたり、対人関係を築けなかったりする精神疾患の一種です。現段階でははっきりとした原因はわかっていませんが、子供の頃の養育環境や神経系の機能低下によって引き起こされると考えられており、思春期を迎えた頃から症状が顕著に現れるようになります。
パーソナリティ障害にはさまざまなタイプがありますが、アメリカ精神医学会の基準では、おおまかに「A群(奇妙で風変わりなタイプ)」「B群 (感情的で移り気なタイプ)」「C群(不安感が強く内向的なタイプ)」の3つに分類されています。詳しくは以下で解説していきます。
A群の患者さんは、一般的な人からは理解できないような考え方をする傾向にあり、社会から孤立しがちという特徴があります。A群はさらに以下の3タイプに分けられます。
強い不信感や猜疑心が特徴です。特に根拠はないのに、人から嫌われているのではないか、妬まれているのではないかといった妄想にとらわれる傾向にあります。
困っている人がいても助けようとしないなど、非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴です。
会話の内容がかなり変わっており、感情表現がぎこちない傾向にあります。
パーソナリティ障害の中で最も多いといわれるタイプがB群です。こちらは以下の4タイプに分類されます。
情緒不安定で衝動的な行動をする傾向があり、対人関係に難を抱える傾向にあります。
「自分は他者よりも優れている」というプライドの高さが特徴で、傲慢・尊大な態度を見せる傾向にあります。
社会のルールや規則が守れず、反抗的で向こう見ずな行動をとるタイプです。
「他人から注目されたい」という気持ちが強く、派手な外見や演技がかった行動をしたりします。
C群は極端に不安感が強く、内向的な傾向があります。さらに以下の3タイプに分類されます。
自信が極端に乏しく、孤独を恐れるため、他者に過度に依存する傾向にあります。
物事へのこだわりが強く、融通がきかない傾向にあります。
不安感や緊張感、劣等感が非常に強く、他人との接触を避ける傾向にあります。
一言で「パーソナリティ障害」といっても、実はさまざまなタイプに分類され、それぞれ特徴も異なります。ただ、いずれも周囲からの理解が不可欠であり、早期治療を始めることが大切なので、「もしかして?」と思ったら、患者さんと一緒に専門機関を受診することをおすすめします。
【出典: 厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_personality.html】