ひどい肩こりの原因は? どうすれば症状を改善できる?

2017/10/13

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

辛い肩こりの症状を「こりやすい体質だから仕方ない」などと思っていませんか?
実は肩こりの症状があまりにもひどい場合は、背景に病気が隠れている可能性もあるので注意が必要です。

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肩こりが起こるのはなぜ?

多くの肩こりは肩周りの筋肉が収縮して固まることで起こります。筋肉が固まってしまうと血行不良となり、肩や首周りに痛みやだるさを感じるようになってしまうからです。

筋肉が固まって血行が悪くなる理由には、以下の3つの要素が関わっていると考えられています。

・肩周辺の筋肉の疲労
・精神的ストレス
・エアコンなどによる冷え
・猫背など、悪い姿勢

肉体的な疲労に精神的ストレスが加わると体が緊張し、常に力が入った状態になりやすくなります。そうすると筋肉もこわばりやすくなるので、肩がこりやすくなります。
また、体の冷えによる自律神経の乱れ、猫背のように肩が内側に入る姿勢によって首や肩に余計な力が入っている状態も肩こりを招く大きな原因です。

肩こりがひどくなると、どんな症状が出てくる?

肩こりがひどくなると、肩周りが痛む・だるく感じる、肩の可動域が狭くなるなどの症状に加え、頭痛や吐き気などがあらわれます。また、慢性化すると患部が炎症を起こして痛みがひどくなったり腕が上がらなくなったりする危険性もあります。

気になる症状があれば、「肩こりで病院に行くなんて・・・」「こりやすい体質だから仕方ない」などと軽く捉えずに、できるだけ早く病院に行きましょう。

肩こりが病気のサインになることがあるって本当?

肩こりは単なる疲労や体質の問題にとどまらず、病気のサインとしてあらわれている可能性もあります。
特に、一般的な肩こりの症状と共にしびれ・麻痺を感じる、どんな姿勢をとっても痛みが続く、同じ場所で痛みが続くなどの場合には注意が必要です。
下記に、隠れている可能性がある疾患を紹介します。

・肩関節周囲炎(四十肩、五十肩とも)
・更年期障害(特に女性に多い)
・高血圧症、低血圧症
・狭心症(胸の痛みと共に左肩の痛みがあらわれたら注意)
・心筋梗塞(胸や左肩に激しい痛があらわれたら注意)

また、頚椎(けいつい)という首の骨に問題があることで肩こりが生じていることもあります(変形性頸椎症:へんけいせいけいついしょう)。

上記のような症状がみられる場合や原因がわからないけれど痛みが続くといったような場合には、なるべく早めに病院で診てもらうことをおすすめします。

おわりに:ストレッチやマッサージなどをしても改善がみられないときは病院で検査を

発症する原因によって解消法は異なりますが、肩こりに共通するのは肩周辺の筋肉が固まることで生じる血行不良です。
肩こりを軽減・予防するには姿勢に気をつけたり、ストレッチやマッサージなどを取り入れたり、ホットタオルなどで患部を温めるなどして、意識して筋肉をほぐしましょう。また、ときには思い切って体を休める時間をつくることも大切です。

それでも改善がみられないときや、日常生活に支障が出るような痛みがみられる場合には、病院で他の原因がないかどうか検査をして根本的な原因を治療していきましょう。

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