記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
いびきは大人だけのものではありません。実は赤ちゃんもいびきをかきます。そのほとんどは問題がないものであり、自然に治っていきますが、稀に病気が原因で起こっていることもあります。今回は赤ちゃんのいびきについて解説していきます。
すやすやと寝ている赤ちゃんが突然いびきをかきだして驚いたという経験を持つママは意外と多いようです。「赤ちゃんはいびきをかかない」と思っている人もいるかもしれませんが、赤ちゃんもいびきをかくことがあります。
大人と同じように、度を超して丸々としている赤ちゃんは気道が狭くなりやすいため、いびきをかくことが多いといわれています。赤ちゃんが丸々していること自体は普通のことであり心配する必要はありませんが、頻繁にいびきをかいている赤ちゃんの体重を確認してみて成長曲線から大きく外れているようなら、体重が原因になっている可能性があります。一度医師に相談してみてもいいかもしれません。
また、赤ちゃんは喉が未熟で気道の組織が柔らかいため、息が通るときに震えてしまうことがあります。気道が柔らかい状態で夜仰向けに寝ていると上気道が狭くなってしまいますので、いびきをかきやすくなります。
ただし、風邪やアレルギーなどによる鼻づまりや小さい子特有のアデノイド肥大などもいびきの原因になる可能性があるので、注意しましょう。
赤ちゃんは普段は鼻呼吸をしていますが、アレルギーや鼻風邪で鼻が詰まってしまうと口呼吸になってしまい、気道が狭くなる分いびきをかきやすくなります。鼻詰まりが原因のいびきは鼻の奥の方で詰まっているのを確認できるような音がしているので、きちんと観察してあげましょう。
赤ちゃんのいびきの原因で多いといわれているのは鼻詰まりです。赤ちゃんは自分で鼻をかめませんし、横になっているときは起きているときよりも鼻が詰まりやすくなります。鼻水を吸い出すグッズなども売られていますので、できる限り取り除いてあげてください。
のどが未成熟なことが原因のいびきに関しては、成長と共に少しずつ解消されていきます。生理的な症状ですので成長を待つのが一般的ですが、眠れないくらいに酷いときには一度病院を受診しましょう。
扁桃腺肥大やアデノイド肥大になると気道が狭くなっていびきをかくようになり、発熱を伴うこともありますが、10歳くらいをピークに自然に治ることが多いようです。重度のものは睡眠時無呼吸症候群になっていることもあるので注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群になると、赤ちゃんは呼吸が苦しくなって夜もよく眠れなくなり、稀ではありますが体の発育にまで影響が及ぶこともあります。ですから、寝息を確認してみて睡眠時無呼吸症候群が疑われるときには、なるべく早く耳鼻咽喉科に相談するようにしましょう。症状がひどい場合は手術が検討されることもあります。
赤ちゃんのいびきのほとんどは、喉が未熟なことや風邪などで一時的に鼻が詰まっていることが原因であり、心配する必要はありません。ただし、扁桃腺やアデノイドの肥大などが原因のものは、睡眠時無呼吸症候群を併発していることもあるので注意が必要です。寝ているときの赤ちゃんの呼吸を観察し、不安なことがあるときは一度医師に相談しましょう。