記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
重い荷物を運んでいるときなどに起きることのある「ぎっくり腰」。実際、ぎっくり腰を度々繰り返しており、お悩みの方も少なくないのではないでしょうか?今回の記事では、ぎっくり腰が起きるメカニズムや効果的な予防法などをお伝えしていきます。
ぎっくり腰とは、何かの拍子に腰に強い痛みが起こり、その痛みが一時的ではなく、しばらく続くことをいいます。ぎっくり腰になる原因ははっきりとはわかっていませんが、骨盤の腸骨と脊柱をつなぐ関節などに障害が起こり、炎症を起こしていることで痛みを感じると考えられています。
ぎっくり腰を経験したことのある方は多く、若い方でもぎっくり腰になることがあります。また、一度ぎっくり腰になってしまうと癖になるのか、その後何度もぎっくり腰を繰り返す方も少なくありません。重いものを持ち上げる時に起こることが多いですが、横になって寝ている状態から、身体を動かしただけでぎっくり腰になることもあります。そのように、自分の体を支えたり動かしたりするだけで起こることもあるのがぎっくり腰の特徴です。
ぎっくり腰になりやすい動作とは、「身体にとって不自然な姿勢をとること」です。不自然な姿勢で重いものを持ち上げようとしたり、動かそうとしたりすると、身体には思った以上の負荷がかかります。そうした無理な姿勢で腰に負荷をかけた結果、腰椎を捻挫してしまうと、痛みを強く感じるようになるのです。
また、重いものを上半身だけで抱えようとしたり、急に身体を大きく動かしたりする動作も、ぎっくり腰につながるリスクがあるので気をつけましょう。
これまでお伝えしてきたように、ぎっくり腰は腰に急激に負担がかかることで引き起こされます。しかしこれは、「事前にしっかり身体を動かしていれば、ある程度の予防ができる」ということの裏返しでもあります。
普段からストレッチをしておくと、腰の周りの筋肉がほぐれて血流がよくなるので、ぎっくり腰の発症率を減らすことができます。なお、腰は上半身にも下半身にも関わるパーツなので、下半身だけでなく上半身にも届くようなストレッチをしましょう。寝た姿勢で腰をひねったり、腰を曲げたり伸ばしたりと、ゆっくりと全身を伸ばす感じのストレッチがおすすめです。
また、腰に負担が集中しないよう、運動をして全身の筋肉を鍛えておくのも重要な予防法のひとつです。全身を使うウォーキングのような運動がいいでしょう。大股で歩くことで効果が高まります。
ぎっくり腰は寝ていれば治ることがほとんどですが、中には病院で診てもらったほうがいい腰痛もあります。代表的なのは椎間板ヘルニアです。また、腰部脊椎管狭窄症や、脊椎分離症などでも腰痛が起こることがあります。こういった病気は、骨に異常が起こり神経を圧迫しているケースが多いので、病院できちんと診てもらうことをおすすめします。
また、内臓疾患によって腰痛が引き起こされることがあります。腰の近くにある内臓としては、腎臓や十二指腸、すい臓があります。内臓疾患による腰痛の場合には、動きと痛みに連動性がないことが特徴です。例えば、安静にしていても腰痛がおさまらず、食事をすると痛みが変化したり、排尿時に痛みがあるといった場合には、内臓疾患かもしれません。そのような時も早めに病院を受診するようにしてください。
椎間板ヘルニアや内臓疾患といった特定の病気による腰痛の場合は、専門医にきちんと診てもらう必要があります。ただし一般的な腰痛であれば、普段からしっかりストレッチを行ったり、無理な姿勢をとらないように心がけたり、といったセルフケアで予防可能なケースがほとんどです。ぜひ試してみてください。