吃音症の治療を続けるための注意点とは!?特徴を理解しておこう!

2017/10/11 記事改定日: 2018/5/28
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

言葉を発しようとしても何度も詰まってしまったりして、会話がスムーズにいかず、トラウマを抱えることもある「吃音症」。この吃音症を治療するには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?

吃音とはどんな状態?どんな症状があるの?

吃音とは発声をする際、自分の意志に反して言葉に詰まってしまったり同じ音を連発してしまったりする症状です。症状には「連発」と「伸発」、そして「難発」という種類があります。

連発は一つの単語を言おうとするときに同じ音を繰り返してしまう症状で、単語の一音目で症状が出ることが多く、自分の意志でコントロールすることが出来ません。伸発は単語のなかの一音を引き延ばして発音してしまうものです。漫画やアニメで描かれるのんびりとした性格のキャラクターが発する言葉に近いですが、吃音としての症状はより深刻です。難発は単語の冒頭の音が出てこない症状で、会話の始めだけではなく会話の途中に症状が出ることもあります。

発達性吃音と獲得性吃音

吃音は症状の種類の他に吃音そのものの分類もあり、「発達性吃音」と「獲得性吃音」に分けられています。

発達性吃音

発達性吃音は幼児が言葉を話し始める過程において発症し、発症率は5%前後と言われています。連発の症状が出ることが多いですが、症状が出ない時期もあり波があります。成長するにつれて症状が出なくなりますが、発達性吃音を発症した子どもの20%程度は吃音が固定化されてしまい、大人になっても症状が続いてしまいます。

獲得性吃音

獲得性吃音は青年期に発症することが多く、原因はストレスや精神的な外傷による心因性の場合と、神経や脳の疾患による神経原性の場合があります。一度発症すると完治することが難しく、長く付き合っていかなければなりません。

吃音症を治療することはできる?どんな方法があるの?

吃音は発症原因が完全に解明されているわけではないため、治療方法についても確実に治せる方法があるわけではありません。しかし、効果があるとされる治療を行うことで大きく改善した例も多々あります。

治療方法は年齢によって異なり、幼児期の患者さんには流暢に話す経験を増加させる取り組みが行われます。緊張する必要が無い状況で会話をすることによって、なめらかに話すという体験をさせ、同時に正しい話し方を指導します。学齢期の患者さんの場合も同様の治療方法が行われますが、よりコミュニケーションを重視した指導が行われます。
青年期の患者さんになると、吃音による失敗やトラウマを抱えているケースが多いので、心的外傷を取り除く治療が取り入れられます。また、言葉の言い換えといったテクニックを身に付けさせることも治療に含まれます。

聴覚言語療法と言語療法士

聴覚言語療法とは、吃音の人が円滑に言葉を出せるように訓練する治療法のことです。多くは、専門的なスタッフである言語療法士によって行われます。言語療法士は国家試験に合格することで得られる国家資格であり、話すことや飲み込むことに関する訓練を行います。

吃音での聴覚言語療法では、発生や発音の練習を行うことが主体となります。このため、姿勢や呼吸法を意識しながら、繰り返して訓練が行われます。多くは言語療法士との対面で行いますが、他者との会話が苦手な吃音の人は、しばしば集団で他者との会話を取り入れる訓練が行われることがあります。

子供と大人の違い

子供と大人では、吃音を発症する原因や場面が異なるため、治療を行うにはそれぞれに適した方法を取る必要があります。
まず、子供の吃音の多くは自然に治ることがほとんどです。しかし、吃音は集団生活の中でのいじめなど子供の精神的な発達に大きな影響を残すこともあり、適切な訓練が必要となります。治療には、耳鼻科的な原因で発音や発生に問題が生じていないか、精神的なストレスが原因となっていないかを考慮したうえで、それぞれに適した治療が行われます。

一方、大人の吃音は子供に比べて治りにくいことが多く、また社会生活の中で様々な場面で問題となることが多くなります。このため、吃音自体に対する治療や訓練だけでなく抗不安薬や向精神薬の処方が必要になることもあります。
このように、子供と大人では吃音の治療法やアプローチは異なります。しかし、どちらの場合も担当医や担当スタッフとよく相談しながら、長い時間をかけてゆっくり焦らずに確実な治療と訓練を進めていくことが大切です。
吃音はすぐに治療効果が出ないことも少なくありませんが、自己判断で治療を中止せず、地道に治療を続けていきましょう。

トレーニング(リハビリ)に取り組むときの注意点

吃音のトレーニングやリハビリは、心理療法や機器を使った方法で行われます。メトロノームのリズムに合わせて発音のタイミングを調整するリズム法や、自分の声が遅れて聞こえるようになる機器を用いて同調させるという方法があります。

しかし、こういった方法は症状に合わせて適切に行わなければなりません。たとえば、脳的な疾患が原因である場合は心理療法では改善が期待できません。また、上述のリズム法は時間をかけてトレーニングを繰り返す必要があるので、根気強く取り組まなければいけないなどを考慮しなければなりません。吃音は時間とともに症状が固定化することもあり、適切な方法でトレーニングを行わなければ改善が遠ざかる可能性もあるのです。

おわりに:吃音の治療法は年齢や症状によってさまざま。早めに適切な治療を

吃音の治療法は、患者さんの年齢や症状に応じて異なるため、専門の医療機関で適切な治療を受けることが大切です。吃音の症状でお悩みの方は早めに病院を受診し、医師などの専門家とうまく連携をとりながら、少しずつ改善に近づけていきましょう。

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