記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/3/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
花粉症は、鼻水や目のかゆみだけでなく、のどのかゆみや痛み、咳など「のどの症状」を引き起こすことがあります。この記事では、花粉症でのどの症状が出る理由と予防対策、市販薬を使用するときの注意点について解説していきます。
花粉症のおもな症状は、鼻の症状(くしゃみ・鼻水・鼻詰まりなど)と目の症状(目のかゆみ・充血など)です。ただし、のどのかゆみや痛み、イガイガ感など「のどの症状」が現れる場合もあります。花粉症でのどに症状が起こったときは風邪の症状と勘違いされやすく、対処が遅れてしまうこともあります。
また、花粉症が原因で咳が出ることもます。花粉症が原因の咳は、痰・のどの痛み・鼻水などを伴い、日中よりも早朝や寝る前に症状がひどくなる傾向にあるといわれています。このような花粉症によるのどの症状が出るのは、以下が原因と考えられています。
鼻詰まりが原因で口呼吸になると、のどに花粉が入りこみやすくなります。また、口呼吸をすると、のどに直接空気があたることで乾燥しやすくなり、痛みなどの症状を引き起こす可能性があります。
口呼吸になることで花粉がのどの粘膜に直接付着しやすくなり、気管支で炎症を起こすことで症状が現れ始め、かゆみやイガイガ感から痛みに変化し、咳の症状が現れるようになります。なお、花粉が気管支に入ると、気管支喘息を発症する可能性があります。
鼻水などの分泌物が多量にのどの奥に流れ込むことを「後鼻漏(こうびろう)」といいます。健康な人でも鼻水はのどに流れることはありますが、花粉症で鼻水の量が多くなると、常にのどに鼻水が流れるようになり、のどの粘膜に炎症が起こり痛みや不快感などの症状を引き起こします。
花粉症ののどの症状は、以下の対策で予防できる可能性があります。
以下の対策で花粉を寄せ付けないようにすることが、花粉によるのどの症状の予防につながります。
のどに付着した花粉を洗い流すため、うがいをするようにしましょう。帰宅後はもちろん、外出時にもこまめにうがいをすることをおすすめします。
無意識のうちに口呼吸になりやすい就寝中は、加湿器を使ってのどを保湿しましょう。適切な湿度管理は、風邪予防・花粉症の悪化予防にも役立ちます。
睡眠不足や偏った食生活など、生活習慣の乱れは免疫機能低下の原因になる場合があり、免疫機能の低下は花粉症の症状に影響するといわれています。また、飲酒や喫煙なども花粉症の症状悪化につながります。
一般的には、花粉症によるのどの症状には、花粉によるアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬などが使われます。のどの症状を緩和する市販薬として以下が挙げられますが、咳止めを飲むときは必ず医師か薬剤師に相談してください。また、咳はのどについた異物を排出する役割があるので、咳止めがかえって症状を悪化させる恐れがあります。
花粉症によるのどの症状が悪化すると、唾液を飲み込むだけでも痛みを感じることもあります。花粉症によるのどの症状は、通常の花粉症対策とあわせ、うがいの敢行・湿度管理・生活習慣の見直しを行うことである程度予防できる可能性があります。ただし、すでに症状が出ている場合は、セルフケアや市販薬に頼る前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。