記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/13 記事改定日: 2019/1/21
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
禁煙を始めたら急に頭痛に悩まされるようになったという人もいると思います。このような頭痛を経験する人は決して少なくありませんが、これはなぜでしょうか。
この記事では、禁煙で頭痛が起こる理由と対処法について解説していきます。禁煙成功のカギになることもあるので、しっかり覚えておきましょう。
禁煙で頭痛が起こるのは、タバコによる離脱症状のひとつです。
タバコの葉に含まれているニコチンが血液を介して脳に届くと、血管を縮めて血流を抑え込み、同時に一種の鎮静作用が起こります。
この体の変化と作用が、タバコを吸うときの深呼吸と合わせて強いリラックス効果を与えます。
禁煙でニコチンが切れると血流が促進されて脳の活動が活発になり、神経伝達もより活発に行われるようになります。
この変化を脳は「異常」ととらえ、異常を伝えるために痛みを伝える神経に強く作用することによって頭痛が起こると考えられています。
頭痛などの離脱症状は1か月以上続くといわれていますが、通常は時間の経過とともに少しずつ治まっていきます。
ただ、強い離脱症状にがまんしきれず、喫煙を再開してしまう人も多いです。
そんな禁煙の失敗を繰り返さないために、ここからは禁煙による頭痛の予防・解消法を紹介しましょう。
頭痛には、ストレスで頭や首の筋肉が強く緊張してしまうことも関係しています。このような筋肉の緊張を緩和するには、ストレッチや有酸素運動がおすすめです。
自分の体力にあわせて、無理のない範囲で続けていきましょう。
湯船につかると、副交感神経が働いて心身がリラックス状態に導かれます。リラックスすることで、ある程度痛みの緩和効果が期待できます。
お湯の温度は少しぬるめに感じる40℃程度が良いでしょう。
読書や料理、ゲームなど、これまでタバコに費やしていた時間を別の趣味に当てましょう。趣味に没頭することで、気がまぎれ離脱症状を緩和できることがあります。
また、趣味を楽しむことはリラックスにもつながりますので「心から楽しめる趣味」を見つけることが大切です。
ニコチンの離脱症状による頭痛は市販の頭痛薬でも症状を緩和することができます。我慢できないときは、市販薬を使用してもよいでしょう。
ただし、頭痛薬には依存性があるタイプのものや、乱用することでさらに頭痛を悪化させるもの、胃の粘膜を荒らすものもありますので、離脱症状による頭痛がひどいからと言って毎日のように何度も服用するのはお勧めできません。
離脱症状がひどい場合は、医師に相談して適切な治療薬を処方してもらうようにしましょう。
一般的に頭痛は最初に起きる離脱症状であり、離脱症状は複数の段階を経て進行していきます。
頭痛の次に起こるのが、タバコへの欲求と強い眠気や不眠です。不眠や眠気は、禁煙の反動に体がついていけず交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなることで起こると考えられています。
こうした症状が3日間続いた後に起こるのがイライラ感や便秘、性格の変化等が起こり、そこから1週間後くらいにこれまでの禁煙の反動で強い疲労感や異常食欲、タバコへの依存度によってはうつ病に近い症状が引き起こされることもあります。
禁煙後に頭痛が起こるのは、体内からニコチンが抜けつつある証です。つらい痛みではありますが、このような離脱症状には必ず終わりがきます。それまでの間、新しい趣味をみつけたり、体を動かしたりし、医師に相談しながら症状をうまくコントロールして乗り越えていきましょう。
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