記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/13 記事改定日: 2018/3/30
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
1~2日で治るような場合でも、風邪はできるだけ防ぎたいものですよね?
そこで今回は、「食事、飲み物、マスク」の3つのテーマをメインに、日常生活に取り入れやすい風邪の予防法をご紹介します。
風邪を予防するには、ウイルスなどの外敵から体を守る抵抗力を高める食事を取るのがおすすめです。
栄養バランスの取れた食事をすることが基本ですが、なかでも体の粘膜をつくるもととなる「たんぱく質」と抗酸化作用がある「ビタミン」が不足しないようにしましょう。
具体的には鶏のささみや納豆などを使った以下のような料理がおすすめです。
鍋は鶏肉のたんぱく質と野菜なども一緒に摂れて手軽ですし、からだも内側から温まるので、風邪予防にはぴったりの食事です。
残ったスープは雑炊にして食べると食材の栄養が丸ごと摂取できます。
納豆にはたんぱく質、ビタミン、マグネシウム、鉄、食物繊維だけでなく、免疫細胞を増やす働きがある乳酸菌の働きを助ける効果があります。
また、小松菜は野菜の中でもビタミン類とミネラルを豊富に含んでいるため、風邪の予防にも効果があるといわれています。
【小松菜と納豆の和え物の作り方】
〈材料:2人分〉
小松菜・・・1束
納豆・・・1パック
生姜(みじん切り)・・・小さじ1
醤油・・・小さじ1
ごま油・・・適量
小松菜は水洗いをして、4等分に切ります。
ごま油でサッと炒めた小松菜に納豆と醤油をお好みで加えて、さらに軽く炒めて完成です。
苦手でなければ、納豆を加えるときに刻んだ生姜を小さじ1杯加えてみてください。
温かい飲み物を飲むと全身の血流が良くなり、血液中の白血球が全身で活動しやすくなります。
暑い季節には冷たい飲み物ばかり飲んでしまいがちですが、温かい飲み物を意識的に選ぶようにしましょう。
はちみつに入っているグルコン酸とレモンに入っているビタミンCには殺菌効果があり、喉の炎症を抑えてくれます。
温かいはちみつレモンは風邪の予防やひき始めにおすすめです。
【はちみつレモンの作り方】
〈材料:1人分〉
はちみつ・・・大さじ1
レモン果汁・・・100大さじ1
熱湯・・・150ミリリットル
マグカップなどに上記の材料を入れて混ぜて完成です。
レモンの代用で柚子(ゆず)や、はちみつ入りのゆずのジャムをお湯で溶かして飲んでも同様の効果を得ることができます。
(※はちみつは食中毒を引き起こす可能性があるので、1歳未満の乳児には与えないでください)
体を温め免疫力を高める効果がある生姜(しょうが)を使った飲み物もまた、風邪の予防効果が期待できます。
すりおろし生姜をお湯に溶かした生姜湯や、紅茶に溶かした生姜紅茶を試してみてください。辛さが気になるときは、はちみつや砂糖を少し入れると飲みやすくなります。
「風邪の原因となるウイルスはマスクの布目をすり抜けてしまうから、予防効果は低いのではないか?」という声も上がっていますが、以下のような理由からマスクには一定の風邪予防効果が期待できます。
【1】マスクを着けるとのどや鼻の粘膜が乾燥から守る
【2】空気中に飛び散ったウイルスを直接口や鼻から吸い込む「飛沫感染」のリスクを低下させる
また、マスクを正しく着用することも予防効果を高くするポイントです。
次の項目で風邪予防に効果的なマスクの着けかたを紹介するので、参考にしてみてください。
鼻をマスクから出していると鼻の粘膜への保湿効果が得られなくなるため、マスクを着けるときは鼻までしっかりと覆うことがポイントです。
鼻を覆うと息苦しいという場合は、通気性のよいガーゼ製のマスクを選ぶようにしましょう。
マスクにはくりかえし使用できるタイプと使い捨てのタイプがあります。
くりかえし使用できるものの方が経済的かもしれませんが、風邪予防に使うならば使い捨てのマスクを選ぶようにしましょう。
また、マスクには風邪の原因であるウイルスや細菌が着いていることが多いので、家の中にウイルスや細菌を持ち込まないよう、マスクをつけて外出したら必ず玄関先で外して捨てるようにしましょう。
「ウエットマスク」などの商品名で販売されている湿り気を帯びた状態のマスクが増えています。
マスクに湿り気があれば保湿効果が高まりますが、濡れているマスクは通気性に欠けるため、風邪で鼻がつまっている場合に使用すると息苦しく感じるかもしれません。
また、高齢者や子どもが濡れたマスクを使うと、窒息を引き起こしてしまう可能性もあるので、使用時には注意が必要です。
今回は「食事、飲み物、マスク」という3つのテーマをメインにして風邪の予防法を紹介しましたが、いかがでしたか?
比較的取り組みやすい方法が多いので、ぜひ風邪予防の参考にしてみてください。