記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/7/20
記事監修医師
前田 裕斗 先生
やけに早くに生理が始まったと思ったら、すぐに出血が止まってしまった――そんな「不正出血」の症状でお悩みではないですか?不正出血がみられたり、ずっと続いたりするのは、一体なにが原因でしょうか?不正出血が起きたら、どう対処すればいいでしょうか?
不正出血とは、生理(医学的には月経というのが一般的です)以外のタイミングで起こる性器からの出血のことです。不正出血を経験したことがあるという女性は少なくありませんが、重大な病気のサインの可能性がある、要注意の症状でもあります。
悪性の不正出血の場合、子宮頸癌や卵管癌、腟癌、外陰癌、子宮肉腫などによって引き起こされている可能性があります。また、こうした悪性腫瘍以外にも、子宮頸管炎、子宮頸管ポリープ、子宮腟部びらんといった病気によっても不正出血が起きることがあります。
【出典: 厚生労働省運営「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」ホームページを編集して作成 http://w-health.jp/monthly/bleed/】
子宮や腟には異常はないのに不正出血がみられる場合、ホルモンバランスの乱れによる影響の可能性があります。ホルモンバランスの乱れによる不正出血は、思春期や更年期の女性に多くみられ、具体的には、生理の前に少量の出血が続いたり、生理になってからやけに長く出血が続いたりします。
なお、生理と生理の間の排卵期でも「中間期出血」とよばれる不正出血がみられることがありますが、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が一時的に低下したために起こるものであり、基本的には2~3日でおさまるため心配いりません。ただし、生理と同じくらいの期間や量の出血がみられる場合は、婦人科を受診してください。
主に妊娠初期に少量の出血が起きることがあります。ただし、妊娠による不正出血は異所性妊娠(日本では子宮外妊娠と呼ばれることが多い)や流産のサインである可能性もあるので要注意です。
不正出血が起きたとしても、それが病気によるものなのか、それともホルモンバランスの乱れによるものなのか、妊娠によるものなのかを自己判断することは不可能です。少しでも不正出血があったら、婦人科を受診しましょう。
なお、診断の上で基礎体温表は大いに役立つものです。継続的に不正出血がみられる場合は、普段から基礎体温表をつけておくことをおすすめします。
ホルモンバランスの乱れからくる不正出血であれば、そこまで心配いらない場合がほとんどですが、中には妊娠や癌などの重大な病気のサインであることもあります。「よくあることだから」と放置せず、不正出血がみられたら婦人科で検査を受けるようにしてください。