盲腸(急性虫垂炎)の原因って何? 予防することはできるの?

2017/10/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

突然猛烈にお腹が痛くなることで知られる「盲腸(急性虫垂炎)」。なるべくなら発症したくないものですが、盲腸は何が原因で発症するのでしょうか?予防は可能なのでしょうか?

盲腸と虫垂の違い


一般的に「盲腸になる」という言葉は虫垂炎になるという意味で使われており、盲腸と虫垂は混同されやすい言葉です。しかし、厳密にはこの2つの言葉が指すものは異なっています。

盲腸とは大腸の中で小腸に近いところにある部分を示す言葉で、それに対して虫垂とは盲腸の先にある細い部分を指しています。そのため、虫垂炎とはその先の部分が炎症を起こす症状ですが、一般にはこの症状が現れることを盲腸になると表現しています。

盲腸は医学的には急性虫垂炎と呼ばれており、炎症を起こす原因は明確にされていませんが、細菌説やアレルギー説、ウイルス説などがあります。発症率は概ね7%程度と言われています。盲腸は長年役割のない器官と言われてきましたが、近年腸内細菌のバランスを取る役割があることが研究で明らかになってきました。

虫垂に炎症が起こるとどんな症状が?


症状としては一般的な腹痛を非常に重くしたような感覚なので、発症してもすぐに盲腸と気づくとは限りません。特に初期症状の腹痛の段階で見極めるのは非常に困難です。

ただ、痛みが胃やへその周りから徐々に右下へと移動していくという特徴があるので、このことを知っていれば気づける可能性もあります。右下腹部へと痛みが移動した後は特に鋭利な痛みとなり、その際に吐き気や発熱などの症状が出てきます。通常の腹痛とは痛みの程度が異なりますが、通常の腹痛と勘違いして放置すると合併症を引き起こす可能性があるので、早期の対処が大切になります。

盲腸(急性虫垂炎)はなぜ起こるの?


盲腸の原因は明確にはわかっていないので、意識的に予防することは困難です。ただ、何らかの原因で虫垂に膿が溜まった結果引き起こされるということがわかっており、そこにはウイルスや細菌が影響していると考えられています。

初期症状の段階で発見するのが望ましいので、原因の分からない右下腹部の痛みがあった場合は注意が必要です。病院では他の腹部の病気と鑑別診断を行って、盲腸かどうかを見極めます。

かつては盲腸と言えばすぐに開腹手術になることが多かったのですが、現在は抗菌薬で治療することも可能になっています。症状が重くなっている場合は現在でも開腹手術となるので、やはり早期発見の重要性は高いと言えます。

治療が遅くなってしまうと


盲腸の症状が悪化している状態で治療を行っていないと腹膜炎を発症する恐れがあります。腹膜炎とは、炎症が腹膜全体に波及することによって起こるものです。こちらも腹痛が発生し、初めは限られた部分ですが徐々に痛みが全体に及んでいきます。発熱や脱水を伴うケースも多いです。

症状は盲腸とよく似ていますが、腹膜炎は一層重い症状の病気となっています。悪化させないうちに緊急手術を行う必要があり、治療が遅くなると合併症を起こす恐れもあります。悪化すればするほど、大掛かりな手術が必要になるため、体への負担は甚大なものとなります。

おわりに:右下へ移動していく腹痛に注意!

盲腸を発症しても「ただのひどい腹痛」と勘違いして放置してしまうケースも少なくありませんが、治療が遅れると腹膜炎につながる恐れがあります。腹痛が右下へ移動していく感覚があれば、盲腸の可能性がありますので、すぐに病院を受診してください。

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