記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/26 記事改定日: 2018/3/30
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
鼻水やのどの痛み、そしてなんとなく体がだるい・・・。風邪を引くと体が思うように動かなくなるので、長引かせるのはなんとしても食い止めたいところ。この記事では、風邪を早く治すために、どんなことをすればいいのかをご紹介します。
風邪の原因の大半はウイルスです。原因となるウイルスの数は200種類以上と言われているため、どのウイルスが原因で風邪を引いてしまったのかを特定することは難しいと言われています。
また、ウイルスの型は毎年少しずつ変化しているため、一度感染したウイルスでも、何度でも感染・発症します。また、まれにですが、細菌(マイコプラズマやクラミジアなど)によって風邪を引くこともあります。
風邪のことを医学的に言うと、「普通感冒」や「風邪症候群」と呼ばれます。のどの痛みや鼻水、だるさなど軽度な症状から始まり、次第に鼻が詰まったり、咳が出るようになったりします。
また、発熱や吐き気、下痢を伴うこともあります。通常は数日から1週間程度で治りますが、免疫力が低下している人や、持病がある人は気管支炎や肺炎を引き起こす可能性もあるため、決して油断できない病気です。
風邪の初期症状は、くしゃみや鼻づまり、のどがいがらっぽく感じることなどから始まります。また、いつもより少し体がだるい、と感じることがあります。
「風邪を引いたかもしれない」と感じたら、まずは休息を取ることが大切です。食欲がないときは無理して食べなくても大丈夫ですが、こまめに水分補給をするよう心がけてください。また、激しい運動をしたり、残業したりすることなく、早めに寝て睡眠をたっぷりとりましょう。
風邪を引いたとき、少しでも食欲があるなら、消化によいものを中心に食べるのがおすすめです。以下に、おすすめの食べ物をご紹介します。
おかゆは消化しやすいだけでなく、柔らかいため、のどの痛みが気になって食がすすまないときにも食べやすいのでおすすめです。レトルトのおかゆがあれば、電子レンジで温めるだけですぐ食べることができます。
もし、コンビニまで行くのが辛かったり、冷蔵庫にご飯しかなかったりしても、電子レンジで簡単におかゆを作ることができます。
<おかゆの作り方>
【材料】
・ご飯(自分が食べられそうな量)
・お水(ご飯が浸るくらいの分量)
・塩(お好みで)
【作り方】
ご飯を茶碗に入れる。
ご飯が浸るくらいの水を入れる
お好みで塩を入れ、かきまぜる
ふんわりとラップをかけ、電子レンジに入れる
(600Wなら2分、500Wなら3分)
ふきこぼれそうになったら途中で止める
できあがり
豆腐はたんぱく質が豊富なだけでなく、のどごしもよいので、のどが痛いときでも食べやすいと思います。湯豆腐にして食べると、体も温まります。
<湯豆腐の作り方>
【材料】
・豆腐(1丁)
・長ネギのみじん切り(1/4本)
・かつおぶし(適量)
・おろししょうが(適量[チューブでも可])
・めんつゆ(大さじ1杯)
【作り方】
1.なべに水と豆腐を入れて温める
2.長ネギのみじん切り、かつおぶし、おろししょうが、めんつゆでタレを作る
3.豆腐が温まったらできあがり
そのほか、おすすめの食べ物として、カップスープや雑炊などがあります。
薬局やドラッグストアに行くと、たくさんの風邪薬(感冒薬)が販売されていますが、現在の医療では、風邪を「治す」薬はありません。店頭の風邪薬はすべて、症状を抑え軽減する効果しかありません。
これは、風邪の原因となるウイルスや細菌は200種類以上あるため、個々のウイルスに効く薬を作ることが難しいためです。病院に行っても、症状に合わせて解熱剤や咳止め、喉の痛みに効く抗炎症剤などが処方されるにとどまります。
風邪を引いたとき、抗菌薬を飲めば治るのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。かつて、二次感染を防ぐ目的で抗菌薬が処方されることがありましたが、ウイルスが原因の風邪には抗菌薬を服用しても効果がないことや、副作用の恐れもあることから、現在では処方されることが少なくなりました。
ただし、肺炎球菌や溶連菌など、細菌が原因の感染症が疑われる場合には抗菌薬での治療が必要です。医師の指示に従って服用するのはもちろん、薬剤耐性を防ぐために処方された用量はすべて飲みきってください。
風邪を引いたら、体をゆっくり休めることが大切です。仕事や家事が気になってしまうかもしれませんが、無理をして風邪をこじらせてしまったら元も子もありません。引き始めの段階でしっかり休息をとり、回復を促しましょう。また、食欲がないときは無理に食べる必要はありませんが、もし少しでも食欲が出てきたら、おかゆや雑炊、豆腐といった消化のよいものをお腹に入れるようにしてください。
自分の症状に合った風邪薬も服用しながら、1日でも早く元気になってくださいね。