記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/24 記事改定日: 2020/2/28
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
お腹にガスが溜まってしまい、苦しい思いをする「腹部膨満感」ですが、いったい何が原因で引き起こされるのでしょうか?この記事では、腹部膨満感の原因について対処法とあわせて解説します。
腹部膨満感とは、おなかが張って苦しい状態のことです。おなかが満腹で苦しいのとは異なり、おなかが圧迫されて苦しいと感じます。
ガスがたまって苦しくなる場合もあり、その場合はゴロゴロしたように感じることもあるでしょう。
ほかにも胃が重苦しく感じたり、不快さを感じたりなど、人によって感じ方や症状は異なりますが、腹部が常に張っている、膨満感があるということから、腹部膨満感と呼ばれています。
中には、常におなかがいっぱいのように感じて、食欲まで失ってしまったり、空腹感を感じなかったりする人もいますが、このような場合はげっぷをすると楽になることが多いです。
腹部膨満感は、大量の食べ物と一緒に空気を飲み込んだことが原因になることが多いですが、便秘が続いて腸管にたまったガスを排出できなくなることが原因になることもあります。
ちなみに、偏った食事による悪玉菌の増加やストレス、食物繊維や炭水化物が多いすぎる食事などもおなかにガスがたまりやすくなる原因です。
腹部膨満感の多くは腸内にガスが溜まることによって引き起こされます。
その原因としては上で述べたように食生活の乱れや便秘などが挙げられます。解消するには炭水化物などに偏らずバランスよい食生活を心がけ、水分摂取や運動習慣などにも注意して定期的な排便習慣を維持していくことが大切です。
特に乳製品や発酵食品などは腸内環境を整え、便秘解消だけでなく大腸内でのガスの産生量を減らしてくれる効果があります。毎日の食生活ではこれらの食品を積極的に摂るのもおすすめです。
また、早食いなども消化管内に空気を取り込んでしまう原因になりますので、ゆっくりよく噛んで食べるようにしましょう。
腹部膨満感は病気が原因で引き起こされることもあります。
たとえば、腸閉塞になると腸が塞がったところから内容物が先に進まなくなるので、便やガスがたまりやすくなってしまい腹部膨満感を感じるようになります。
ほかに気をつけたいのが大腸がんです。大腸がんは目立った初期症状が出ないことが多いですが、頑固な便秘や下痢などの症状が出ることがあります。この状態が続くことでお腹の中にガスがたまり、腹部膨満感を引き起こすことがあります。
そのほかにも、胃炎や胃下垂、胃腸虚弱、過敏性腸症候群といった病気で胃腸の調子が悪くなり、空気がたまってしまうこともあります。このような場合は膨満感だけでなく、吐き気や便秘を伴うことがあります。
腹部膨満感は食べすぎや飲みすぎ、便秘などの際によく見られる症状であるため軽く考えられがちです。しかし、大腸がんや腸閉塞、肝機能障害など思わぬ重篤な病気が潜んでいる場合もありますので次のような症状を伴う場合には放っておかずなるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
腹部膨満感は、食事中に空気を飲み込んでしまったり、ストレスを溜めすぎたりしても起こることがありますが、腸閉塞や大腸癌が原因のこともあります。腹部膨満感以外に気になる症状が見られたら、早めに病院を受診しましょう。