記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/23 記事改定日: 2019/3/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自律神経失調症は、イライラしやすくなったり、体が火照ったりと、体と心の両方に症状が現れる病気です。代表的な原因としてストレスが挙げられますが、その他にも原因はあるのでしょうか?
ここでは自律神経失調症の原因と予防法ついて詳しく解説します。
自律神経失調症の症状は一人ひとり異なり、様々な症状が起こるのが特徴です。
代表的なものとしては
などの体にあらわれるものから
などの精神的な症状があらわれる場合もあります。
また、あらわれる症状が一つではなく複数が組み合わさって現れることが多いということも自律神経失調症の症状の特徴です。
外見からは判断することが難しいことも多いため、周囲の人から理解されず、それが新たな引き金となって症状が悪化したり、新たに別の症状があらわれることもあります。
自律神経失調症はストレスが原因というイメージを持つ人は多いと思います。
確かに過度のストレスにより、自律神経のバランスが崩れることで、自律神経失調症になりやすくなるとはいわれていますが、それだけが原因とは限りません。
などが原因で自律神経失調症になる場合もあります。
また、持って生まれた性格が影響することもあります。
たとえば感情を人に上手く伝えることができない、気持ちの切り替えをすることができない、他人からの評価が気になる、依存心が強い、ストレスに弱いという人は、そうではない人に比べると、自律神経失調症になりやすいといわれています。
生活環境の変化によるストレスや疲れ、ホルモンバランスの変化は自律神経失調症を引き起こすことが知られています。
まず、過度なストレスや疲れは自律神経の中の交感神経を過度に緊張させ、その過緊張を緩和させるために副交感神経が過度に働こうとします。その結果、神経の調節機能が疲弊して上手く作用できなくなり、自律神経失調症を引き起こすことがあるのです。
一方、性ホルモンは自律神経の働きを調節する作用があります。このため、更年期障害などで性ホルモンの分泌量が減少すると自律神経の調節が上手くできなくなり、自律神経失調症を発症することがあるのです。
自律神経には発汗や心拍数上昇など運動による身体の変化を調整する作用があります。このため、慢性的な運動不足が続くと自律神経の調節が行われにくくなり、些細な労作によって自律神経失調症症状を引き起こすことがあります。
また、運動不足による血行の悪化、冷えなども自律神経の働きを弱めることがあります。さらに、適度な運動は夜間の良質な睡眠を誘う効果もあり、運動不足が続くと寝付けない・熟睡できないなどの睡眠の異常を引き起こすため自律神経失調症を導くことも少なくありません。
自律神経失調症を防ぐには、十分な睡眠を確保して生活リズムを整えること・適切な食生活や運動習慣を心がけること・ストレスをためにくい生活を心がけることが大切です。
また、体調の変化を自覚した場合には軽く考えずに病院を受診して治療を受けるようにしてください。
自律神経失調症の原因は、ストレスをはじめ、年齢による変化や体の病気、心の病気、環境など様々なものがあります。
自分で原因を特定することは難しいので、まずは専門医を受診し原因を突き止めてもらうようにしましょう。原因がはっきりしたら、医師の指示に従い、症状が改善するまで焦らずじっくり治療を続けていくようにしてください。
また、普段から自律神経のバランスが乱れないように工夫しながら過ごすようにしてくださいね。