難治性疾患ジストニアの症状や治療について

2017/10/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ジストニアとは、自分の意思とは関係なく体が勝手に動いてしまったり、異常な姿勢をとってしまう病気です。命の危険があるわけではありませんが、周囲に理解を得られにくいため、精神的な苦痛を伴うことも多いです。この記事では難治性疾患ジストニアの症状や治療について解説しています。

ジストニアとは


ジストニアとは、無意識に筋肉が強張ってしまい体が自分の意思とは関係なく動いたり(不随意運動)、姿勢に異常を起こしてしまったりする難治性の病気です。命にかかわったり、知能や感覚機能が侵されたりする病気ではありませんが、日常生活や仕事に支障をきたすこともあります。症状は多様で「ジストニア症群」ともよばれています。

発症時期も小児から老年期とさまざまです。脳や神経系統のなんらかの異常によって起こると考えられていますが、診断が難しいうえ医療関係者の中でもまだ認知度が低い病気です。病態の解明が進まず、根本的な治療法は見つかっていないのが現状です。

ジストニアの種類


ジストニアには、原因がわからない「本態性ジストニア」と、何かしらの原因を持つ「二次性ジストニア」があります。

本態性ジストニアは、主に遺伝性ジストニアと診断されます。子どもの頃の発症が多く、全身性ジストニアに発展しやすいものです。本態性ジストニアは、さらに全身性、局所性、局所性が周辺に広がる分節性のものがあります。ただし、ジストニアの定義や分類は、現在でも流動的です。

一方、二次性ジストニアは、脳卒中や脳炎などの後遺症、抗精神薬などの副作用(遅発性ジストニア)、体の一部の酷使による脳神経への影響など、外部要因が特定できるものです。

どんな症状が起こるか


・首が一方に傾く
・足がねじれる
・身体が歪む
・まぶたが勝手に閉じる
・口の開閉ができない
・唇が突き出たりあごがずれる
・舌が動いたり口の外に出る
・声が出せない
・鉛筆などが持てない
・字が書けない
・特定の楽器が弾けない

などの症状があり、ふるえがあることもあります。また、局所性ジストニアでは、首が曲がる「頸部ジストニア(痙性斜頸)」、まぶたが閉じてしまう「眼瞼痙攣」、決まった動作に現れる「動作特異性ジストニア(書痙など)」の特徴的な症状が現れます。肉体的に辛いが周囲への理解が得られにくいため、精神的な苦痛をともないます。

症状は一定して反復・持続し、初期には朝は良いが夜にかけて悪化する、体のある部分にさわると一時的に症状が軽くなるといったことがあります。ある動作のみに起こる、環境で症状が強くなる、何かのきっかけで急に症状が重くまたは軽くなることもあり、これらはジストニアの症状の特徴となっています。

治療方法について


ジストニアの専門科は神経内科です。比較的まれな病気のため、専門医の診断、治療が必要になります。

最初は抗コリン剤を中心にした薬物治療となりますが、劇的な効果はのぞめず副作用が出やすいことから補助的に使われる場合がほとんどです。
局所性ジストニアでは、異常に動く筋肉をボツリヌス毒素を注射することで麻痺させる治療が用いられます。これらに効果がない場合や全身性の場合は手術による治療が検討されますが、手術治療は歴史が浅くごく限られた脳神経外科施設でのみ行なわれています。
そのほか、鍼や心理療法、リハビリテーションがありますが、いずれも試行錯誤の段階で、確立された方法はありません。

おわりに:根本的な回復は難しいが、良好な予後を過ごせる可能性も

ジストニア自体が命に関わるような危機を招くことはありませんが、長期間放置すると脊髄を圧迫することで麻痺など重篤な症状に発展する可能性があります。現在は根本治癒が難しいとされていますが、治療で良好な予後を過ごすことも少なくありません。
諦めずにまずは専門医に相談してみましょう。

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眼瞼痙攣(3) ジストニア(2) 書痙(2) 不随意運動(2)