記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
鼻づまりは日常的な症状のため深刻に考えている人は少ないでしょう。しかし、鼻づまりが長期的に続くことで、鼻以外の健康を損なう可能性があるのです。この記事では、鼻づまりの原因と治し方について解説しているので、鼻の悩みを抱えている人は参考にしてください。
鼻づまりの原因は大きく分けて3つ存在します。
まずは鼻炎やアレルギーによるものです。
風邪による急性の鼻炎、花粉やハウスダスト、猫や犬などを原因とするアレルギー性鼻炎などが該当します。鼻の中の粘膜が腫れ、空気が通りにくい状態となるために発生するのであり、鼻水などが詰まることで起こるわけではありません。
次に副鼻腔炎による鼻づまりです。
鼻には副鼻腔と呼ばれる空間があります。この空間に炎症が発生し膿がたまると鼻づまりが起こります。急性鼻炎やアレルギー性鼻炎の場合は鼻水が無色でサラッとしているのに対し、副鼻腔炎における鼻水は粘り気があり、緑や黄色といった色をしているのが特徴です。蓄膿症に発展すると手術が必要になるため、ドロッとした鼻水が長い期間続く場合は早めに病院を受診しましょう。
最後のひとつが鼻の構造によるものです。
鼻中隔と呼ばれる鼻腔内の壁が湾曲する鼻中隔弯曲症、鼻茸と呼ばれる鼻腔内にできるポリープなどができると、いずれの場合も空気の通りを悪くして鼻づまりになります。
鼻づまりになると鼻からの呼吸が難しくなるため、口呼吸になりやすいです。鼻呼吸の場合には吸った空気が粘膜などで湿らせられてから喉を通るため、喉の乾燥を防ぐことができますが、口呼吸の場合は直接に空気が喉に届いてしまうため、乾燥しやすく、結果として風邪をひきやすい状況に追い込まれてしまいます。
また、睡眠時にいびきをかきやすくなり睡眠の質が落ちることも口呼吸のデメリットといえるでしょう。鼻づまりが風邪を誘発し、いびきをかきやすく、睡眠の質が落ちることで抵抗力が下がりさらに風邪がひきやすくなる悪循環が起こりやすくなります。
朝起きたときに、喉がやけに乾燥していると感じたときは口呼吸をしている可能性があります。鼻づまりが起こっていないか確認するようにしましょう。
急性鼻炎、アレルギー性鼻炎についての対処法には
・アレルギーの治療薬を服用する
・ステロイドの点鼻薬を使用する
・コンプレッサーで霧状にした薬剤を鼻から吸い込む
などがあります。上記でも改善しない場合には手術で鼻の粘膜を焼き神経の過敏性を抑える対処などが検討されることもあるでしょう。
副鼻腔炎の場合でもステロイドの点鼻薬の使用は有効とされ、他には抗炎症剤の服用、薬剤の吸引なども有効といわれています。また、副鼻腔内の内視鏡手術で改善を目指すことも可能です。
鼻中隔弯曲症やポリープの場合、鼻中隔弯曲症であれば骨や軟骨が原因であるのは明らかであるため、手術で湾曲している部分を治す以外に方法はありません。ポリープでは、副鼻腔炎の内服薬を1か月以上飲み続けることでポリープが小さくなることもありますが、手術でポリープを除去と副鼻腔炎の治療を同時に行うのが一般的なようです。
鼻づまりが長く続くと、口呼吸になりやすくなるため、風邪を引きやすくなったり睡眠不足になりやすくなることがあります。医師と相談しながら早めに対処するようにしましょう。鼻づまりは原因によって治療方法が異なります。自己判断で薬を使っても効果がないことも少なくありません。まずは病院で検査し、自分の状態に適した治療をしてもらうことをおすすめします。