緊張型頭痛の原因とメカニズムを知ろう

2017/10/30

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

頭全体が締め付けられるように痛んだりする「緊張型頭痛」。癖になってお悩みの方も多いのではないでしょうか。発症の原因やメカニズムを把握することで、今後の予防に役立てましょう。

緊張型頭痛とは? どんな症状があるの?

頭痛はおおまかに、もともと何の障害もないのに起こる「一次性頭痛」と、何らかの障害があって頭痛が起こる「二次性頭痛」とに分けられます。前者の一次性頭痛には片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛が含まれますが、この中の緊張型頭痛は、不自然な姿勢を長くとり続けることや、精神的なストレスが元になって起こると言われています。

ここでいう不自然な姿勢とは、運転で同じ姿勢をとり続けたり、パソコンで長時間仕事をしていたりといった非常に一般的なものです。そして精神的なストレスとしては、家庭や仕事の悩みなど、誰でも抱えうるものが挙げられます。そして事実、緊張型頭痛は年齢や性別に関係なく出現し、慢性的な頭痛の中では最も患者数が多いものです。同じような痛みがほぼ毎日持続するのを特徴としています。

代表的な症状について

緊張型頭痛の症状は、頭全体がぎゅーっと締め付けられるような鈍い痛みが起こることが多いようです。痛みは頭全体に起こる場合と、後頭部を中心とする場合や首筋が痛む場合があります。痛みは鈍い痛みであり、我慢できないほどではないものがほとんどです。

なお、痛みは一日中を通して慢性的に続くことが多いのですが、痛みの強さが強すぎることがないため、日常生活はなんとか送れ、普段通りの生活をすることができます。動いたり運動することで痛みが変化することはなく、むしろ動いて痛みが軽減することもあります。吐き気も伴わず、光や音に反応もしません。

痛みが続く期間は長くなることが多く、3カ月以上に及んでほぼ毎日起こることもあります。

発症の原因とメカニズムとは?

先述のとおり、緊張型頭痛が起こる原因は、同じ姿勢をとり続けることです。首筋から肩にかけての筋肉が収縮し筋肉がこった状態になると、乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まり、神経を刺激することで痛みを引き起こすと考えられています。首筋の筋力が弱い人ほど、筋肉が疲れやすく緊張型頭痛を起こしやすいようです。

その他に精神的なストレスも緊張型頭痛の原因になります。精神的なストレスがかかると、気付かないうちに体に力が入ってしまうものですが、そのような状態を長く続けることで、筋肉が疲労してしまい頭痛を起こしてしまうのです。なお、精神的ストレスが原因となって緊張型頭痛を起こす人には、真面目すぎる性格や、几帳面な性格の人が多いようです。

対策を立てて緊張型頭痛を防ごう!

緊張型頭痛の主な原因は首周りの筋肉の疲労なので、筋肉の血流を良くすることで頭痛を改善・予防することができます。首周りをゆっくり動かし、気持ちの良い方向にまげるなどのストレッチを行うと効果的です。なお、精神的なストレスによって発症している場合は、リラックスできる時間をもつことが有効な予防法となります。

また、全身を動かすような運動も良いでしょう。体を動かせば、精神的なストレスも軽減しやすくなります。急に激しく動くのはよくありませんが、首周りの準備体操でこりをほぐしてから、全身をゆっくり動かすような運動がおすすめです。

首周りを温め、筋肉をほぐして血流を良くすることも有効です。温めたタオルを首に巻いたり、入浴で首周りを温めると、痛みが軽減されます。

おわりに:同じ姿勢のとりすぎやストレスの溜めすぎに注意し、緊張型頭痛を予防しよう

緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢をとりつづけることによる筋肉疲労と、精神的なストレスが主要原因とされています。特にデスクワークの方や生真面目な方などは発症リスクが高いので、日頃からこまめにストレッチをしたり、ストレスを発散したりして再発予防に努めましょう。

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