記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/30 記事改定日: 2019/2/28
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日本人には比較的多いとされる頭痛に、「緊張型頭痛」があります。この緊張型頭痛は、いったいなにが原因で引き起こされるのでしょうか?どんな症状が特徴なのでしょうか?
この記事で詳しく解説していくので、予防改善に役立ててください。
緊張型頭痛は慢性頭痛の中で一番多いとされていて、子供から高齢者まで幅広い年齢層で起こります。
緊張型頭痛になっても発熱の症状はなく、痛みの度合いも「頭が痛くても家事や仕事はこなせる」程度でおさまることが多く、夕方になると症状が強くなってくるという特徴があります。
人によっては、痛みというよりは頭が重い感じと表現をする人もいて、痛む場所も頭全体や後頭部、首筋など人によって違ってきます。
片頭痛と比較すると「痛みは弱いが持続時間が長い」という特徴があります。
緊張型頭痛は時々頭痛がする「反復性緊張型頭痛」と、毎日のように頭が痛くなってしまう「慢性緊張型頭痛」に分けられますが、慢性の場合は数日から数カ月続くことがありますが反復性の場合は数分や長くても1週間ほどで痛みがなくなるというように、慢性と反復性で持続時間も変わってきます。
緊張型頭痛の代表的な症状はもちろん頭痛ですが、実は頭痛が起きる前に特定の症状を感じることもあります。首筋が張ったり、肩がこったりといった症状を感じるようになり、だんだんと頭痛になるというものです。
頭痛はズキズキするというものではなく、こめかみの辺りから頭の周りが締め付けられるように感じるタイプのものです。ヘルメットをかぶったような感じと表現する患者さんも多いです。鈍い痛みが続くというのが特徴で、我慢できないほどの強い痛みは出ません。
頭が痛いと嘔吐するというタイプの頭痛もありますが、緊張型頭痛では吐くことはありません。また、体を動かすと痛みが軽くなり、人によってはフワフワとしためまいを同時に感じることもあります。
緊張型頭痛の原因は、肩や首、頭の筋肉の緊張・コリです。それらの緊張やコリは主にストレスによって引き起こされます。
なお、ストレスは精神的なものだけでなく、身体的なものも含まれます。身体的なストレスの具体例は、噛み合わせの悪さや眼精疲労、運動不足などです。
たとえば、長時間同じ姿勢でパソコンの作業をしていると頭が痛くなってくることがあると思いますが、これは肩や首の筋肉が緊張して血流が悪くなることで起こるのです。
このような頭痛が頻繁に起こってしまい精神的なストレスを感じるようになってしまうと、そのストレスがさらに緊張型頭痛を引き起こすという悪循環に陥ってしまうこともあります。
ことも首や肩の筋肉にストレスをかけます。
このような原因が日常生活に隠れていないかを見直し、改善していくことが緊張型頭痛の予防・改善にために大切になってくるのです。
緊張型頭痛は、後頭部や首、肩のコリによって引き起こされますので、予防・改善のためにはコリをほぐしたり、コリが生じない対策が必要になります。
そのためには以下のような対策がおすすめです。
緊張頭痛の治療は症状が軽度な場合には、一般的な消炎鎮痛剤で改善することがほとんどです。しかし、消炎鎮痛剤を過度に服用すると、薬の効き目が切れたときにさらに強い頭痛が生じる「反跳痛」や薬の作用によって頭痛が引き起こされる「薬物乱用頭痛」を引き起こすことも少なくありません。
消炎鎮痛剤で十分な効果が見られない場合は、漫然と使用するのはやめましょう。
緊張頭痛で最も効果的な治療は、筋肉のコリをほぐすことです。ストレッチをしたり、リラクゼーションに行くことなどが有用です。
ただ、緊張型頭痛は、過度なストレスや緊張によって引き起こされることもありますので、精神的な症状を伴う場合には抗うつ薬や抗不安薬などが使用されることもありますので、処方されたときのために覚えておいてください。
長時間同じ姿勢をとり続けていたり、精神的にストレスを感じていたりすると、緊張型頭痛になりやすいと考えられています。こういった頭痛の引き金となる要因を極力避け、再発の予防に努めましょう。