記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/10 記事改定日: 2019/2/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頻尿とは頻繁に尿が出ることです。膀胱炎やパーキンソン病、糖尿病などの病気が原因になることもありますが、頻尿を改善することはできるのでしょうか?この記事では、頻尿を改善するための対策について、セルフケアも含めて解説していきます。
頻尿は尿意を感じるタイミングが短くなる症状です。目安としては1日に8回以上トイレに行くようになると頻尿といわれます。
病気が原因で起こることも多く、原因になる身近な病気としては下記で説明している過活動膀胱、膀胱炎などがあります。
セルフケアをする前に、まずは病気が原因でないことを確認することが先決ですので、頻尿に困っている場合は最初に病院で診てもらい原因を調べてもらいましょう。
過活動膀胱は尿を溜める器官である膀胱の働きに障害がある症状で、尿の量に関係なく膀胱の筋肉が収縮して急に尿意を催します。
原因としては脳血管や脊髄の障害やパーキンソン病などの後遺症による神経因性のものと男性は前立腺肥大による排尿障害、女性は骨盤底筋のトラブルなどが考えられます。特に加齢によって筋力が低下すると起きやすい症状です。
膀胱炎は尿道から入った雑菌によって膀胱内に炎症が起きている病気です。女性は男性よりも尿道が短いためなりやすいといわれています。
肛門周辺にある大腸菌が入り込むことが主な原因ですが、健康な状態であれば大腸菌などの細菌が侵入しても免疫機能で守られるため発症しません。
ストレスや風邪、寒冷などによって免疫力が低下すると細菌に感染しやすくなるため、膀胱炎にもなりやすくなります。
膀胱機能が頻尿の原因になっている場合には、膀胱の働きを正常に近づける対策が必要です。そのためには膀胱訓練、骨盤底筋訓練などが効果的といわれています。
膀胱訓練とは、排尿の間隔を少しずつ長くしていく訓練です。トイレに行きたくなったら肛門や尿道に力を入れて我慢して、トイレに行きたいという気持ちを紛らわせ、少しずつ我慢できる時間を延ばしていきます。2時間我慢できるようになることを目安にしましょう。
女性の頻尿の場合は骨盤底筋トレーニングが効果的とされています。
骨盤底筋は子宮や尿道、膀胱を支えている筋肉ですが、出産や加齢によって骨盤底筋の筋力が落ちると頻尿になります。そのため、女性の頻尿改善には骨盤底筋トレーニングが重要になってくるのです。
股にクッションなどを挟んで太ももに力を入れ、その状態で腹式呼吸をして腟に力を入れます。それを5秒キープしてから、5秒かけてゆっくりと力を緩めていきましょう。このトレーニングを1日3分続けるようにしてください。
水分を取りすぎも尿意を強める原因になります。一度に水分を摂りすぎないこと、カフェインを含むような利尿作用がある飲み物を避けることが効果的な対策といえるでしょう。コーヒーを1日に何杯も飲む人は注意が必要です。どうしてもコーヒーが飲みたいときにはノンカフェインのコーヒーに切り替えることをおすすめします。
また、緑茶や紅茶などのお茶にもカフェインが含まれていますので飲みすぎには注意してください。
身体が冷えたり、寒いところに長くいると、血圧が上昇して腎臓への血流が増加することによって尿が多く産生されたり、膀胱の筋肉が収縮することで尿が溜まっていなくても尿意を感じるために頻尿を引き起こすことがあります。
冷えによる頻尿を防ぐには腹部を冷やさないようにし、冬場などは腹巻をしたり腹部がしっかり覆われるような服装をするとよいでしょう。また、夏場でも冷房による冷えで頻尿になることがあるので、ひざ掛けなどを利用して体を冷やさないよう心がけることが大切です。
頻尿の原因には色々ありますが、病気以外のことが原因の場合は、日常生活の中で工夫しながら自分で改善していくことができるといわれています。骨盤底筋トレーニングや水分量の調節、膀胱機能訓練などをしながら、頻尿の改善を目指しましょう。