記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/10/31
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
「眼瞼(がんけん)けいれん」という目のトラブルをご存知でしょうか?目が開けにくいなど、まぶたがスムーズに動かなくなってしまう状態のことです。以降で症状や原因、治療法について解説していきます。
眼瞼けいれんとは、瞬きの回数が増える、まぶたを閉じにくいというようにまぶたの動きに問題が起きている状態です。女性の発症者が圧倒的に多く、40~50代のいわゆる更年期にさしかった年代の女性がよく発症します。重症化することはほとんどないのですが、治療をしても完治しにくい病気で、自然治癒も見込めないので長く付き合っていかなければいけません。
眼瞼けいれんの症状ですが、軽度及び中度の場合は、意識とは関係なくまぶたがピクピクと動く、瞬きの回数が増える、まぶたが勝手に開く、といったまぶたの動きに関する症状に加え、眼が乾く、眩しさを感じる、目の痛みや違和感といった感覚異常を感じる傾向にあります。ドライアイと勘違いしてしまい、眼瞼けいれんとは気が付かない患者さんもたくさん存在します。
眼瞼けいれんは重症化すると、まぶたを自分の意志で開くことができない、まぶたの周辺に皺が寄るといった症状が現れるようになってしまいます。
眼瞼けいれんとは誰もがなりうる病気ではありますが、原因についてはまだ医学的に解明されていません。ただ、何らかの関係性があるものとして、過度のストレスや目の酷使が挙げられます。それらの要因が、まぶたを動かす大脳の機能に障害を与えてしまうと考えられているのです。
他にも特定の薬の副作用によって、眼瞼けいれんが発症しやすくなってしまうケースもあります。これに関しても、薬が大脳に影響を与えたことが関連していると考えられています。
眼瞼けいれんの治療については、起きている症状を抑える対症療法が中心となります。例えば、視界のまぶしさを感じる人であれば、光を遮るためのサングラスを着用させたり、ドライアイであれば人工涙液で乾燥を防いだり、けいれんが起きているのであれば抗パーキンソン薬や抗けいれん薬で神経にかかっている刺激を抑えたりといった治療を行います。ただ、重度の眼瞼けいれんとなり、まぶたが開かないというときには、最終手段として眼輪筋切除のような外科手術をすることもあります。
いかがでしょうか。眼瞼けいれんは認知度の低い目のトラブルなので、症状が現れても放置してしまう患者さんも少なくありません。もし疑わしい症状があらわれたら、早めに眼科を受診してください。