泣き入りひきつけとは、どんなのひきつけ?どう対処すればいいの?

2017/10/31 記事改定日: 2020/3/23
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

赤ちゃんが大泣きした後、痙攣を起こしてびっくりしたことはありませんか?それは「泣き入りひきつけ」という、赤ちゃんによく見られる症状のひとつかもしれません。
この記事では、泣き入りひきつけの症状や原因、対処法などを解説していきます。

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「泣き入りひきつけ」とは?

泣き入りひきつけは「憤怒痙攣」とも呼ばれる、かんしゃくを起こしたときに起こるひきつけ症状のことです。泣き入りひきつけは珍しい症状ではありません。初めて見たときは慌ててしまうかもしれませんが、3歳まではとくに心配することはないでしょう。

年齢が上がってくるにつれ泣き入りひきつけも起こりにくくなり、いつの間に目にすることもなくなります。

泣き入りひきつけの症状ってどんなもの?

泣き入りひきつけの症状には「青色失神」と「白色失神」の2つがあります。
泣き入り引きつけは一過性のもので脳にダメージはありませんが、意識の消失や脱力、痙攣がみられる場合もあります。

青色失神

泣き入りひきつけで多いのは青色失神です。青色失神は、かんしゃくを起こして激しく泣き叫ぶことで呼吸がうまく行われず、無呼吸の状態になってしまう症状です。青色失神を起こすと、しだいに体が固まった状態となり、手と足が硬直し震え始め、痙攣症状を引き起こします。顔色が悪い、白目をむく、唇が青くなるなどの症状もみられます。

白色失神

白色失神は、大きな音、声を聴くなど普段は経験しないことに直面したことで、恐怖に感じて興奮状態になってしまい、迷走神経反射と呼ばれる現象を起こします。自律神経の乱れで血圧が下がるなどの症状が起こり、泣き叫んでいないのに泣き入りひきつけの症状が現れます。

泣き入りひきつけを起こす仕組みとは?

泣き入りひきつけの詳しいメカニズムはわかっていませんが、きっかけになるのは激しく泣き叫んだことによる酸欠です。泣き叫び続けることで息を吸いこまず「常に息を吐いている状態」になることで、脳が無酸素状態になることで引き起こされます。

遺伝で受け継ぐこともあり、感情の起伏が激しい、頑固、自我が強いなどの性質を持つ乳幼児も泣き入りひきつけになりやすいとされています。まだ小さい子供は脳の発達が未熟であり、感情のコントロールができないのも関係していると考えられています。

泣き入りひきつけを起こしたら、どう対処すればいい?

泣き入りひきつけは4~5歳頃までに自然と改善していくことがほとんどです。
それまでの間は、癇癪のような激しい泣き方になるべくならないよう対処していきましょう。

ひきつけを起こしたときは、息つぎをしやすいように縦抱きにしたり、横にならせて様子を見ましょう。数秒から1分ほどで自然に元の状態に戻りますので、呼吸しやすいよう洋服の締め付けを緩めたり、首を伸ばして気道を確保するなど、冷静に対処してください。

泣き入りひきつけはてんかんなどのように病的なものではありませんので、大きな問題となることはほとんどありません。しかし、ひきつけが頻回に起こる場合や元の状態に戻るまでに時間がかかる場合は、何らかの病気の可能性がありますので一度かかりつけの小児科で相談するようにしましょう。

おわりに:泣き入りひきつけは一過性のもの。心配はいらないが、過度な刺激には注意

泣き入りひきつけは、大泣きした後に痙攣を起こしたり、顔色が急激に悪くなったりすることです。突然のことにびっくりされる人もいるかもしれませんが、一過性のものであり、脳にダメージを与えるものではないので心配はいりません。
これ以上激しく泣かないように、子供を刺激するような行為は避けるようにしてください。

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