記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/11/7 記事改定日: 2019/2/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
生理(医学的には月経というのが一般的です)前になると頻尿になる、という女性は少なくないといわれています。では、なぜ生理前になると頻尿になってしまうのでしょうか?予防するにはどうすればいいのでしょうか?
生理前から頻尿になる原因は、女性ホルモン、特に黄体ホルモンのプロゲステロンによる影響といわれています。
生理前になると黄体ホルモンであるプロゲステロンが増加します。このプロゲステロンは子宮内膜を厚くし柔らかくすることで着床しやすい状況を作り出しますが、利尿作用や膀胱を閉じる際に用いる平滑筋を緩める作用もあるため、プロゲステロンが増加する生理前は頻尿や尿漏れする状態になりやすいのです。
また、月経前にエストロゲンやプロゲステロンの作用で子宮が大きくなることも、膀胱を圧迫し、尿意を感じやすくさせ、頻尿を促す原因のひとつとされています。
このように、プロゲステロンによる利尿作用、平滑筋の緩みや、月経前に子宮が大きくなることで生じる物理的要因が複合することが頻尿の原因となります。
頻尿になってしまっても、なるべく排尿を我慢しないようにしましょう。頻尿になると1日に何度もトイレに行きたくなり、仕事もままならなくなるときがあります。面倒だからとトイレに行くのを我慢すると、膀胱炎になってしまう恐れがあります。
また、膀胱炎になると、さらにトイレに行かざるを得ない状況になるうえに、炎症が腎臓まで広がってしまうと腎盂腎炎などのもっと重い病気になってしまう恐れもあるのです。たとえ生理前に頻尿になってしまっても、こまめにトイレに行くようにしましょう。
また、「頻尿だから水分はなるべくとらないようにする」という人もいるでしょうが、水分を控えることは健康にとってよくありませんので注意してください。
生理前からの頻尿を防ぐには、ホルモンバランスの調整が大切です。ホルモンと自律神経には関連性があり、自律神経を整えることでホルモンバランスの調整をすることができると考えられています。規則正しい生活を送ることで自律神経が整うと、結果としてホルモンバランスも整うようになります。自律神経が整ったからといって、必ずしも頻尿が改善するわけではありませんが、心身の健康のためにも生活習慣を見直し、改善できるところからなおしていきましょう。
また、利尿作用のあるカフェイン入りの飲み物をできるだけ避けることも重要です。コーヒーやお茶などをできるだけ避け、なるべくノンカフェインのもの選ぶようにしましょう。
ストレスは女性ホルモンに影響を与えるため、精神的なストレスを取り除くようにしましょう。
体を動かすなど健康的な方法でストレスを解消していくことをおすすめします。
女性の頻尿には、生理前後の女性ホルモンバランスの変化やストレス、骨盤底筋の脆弱化が原因になることも多々ありますが、なるべく早く治療を始めなければならない病気が潜んでいることも少なくありません。
以下のような症状がある場合は、何らかの病気が原因の可能性があります。当てはまる項目が多い人は早めに病院を受診しましょう。
生理前の頻尿は、プロゲステロンの増加が主要原因です。このプロゲステロンなどの女性ホルモンのバランスは、自律神経と深く関連していると考えられているので、自律神経が整うよう、健康的な生活をまずは心がけましょう。