妊娠初期の腹痛の 対処法とは!?なぜ痛みが起こるの?

2017/11/7 記事改定日: 2018/3/20
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

つわりや胸の張りなど、妊娠初期にはさまざまな症状が起こりますが、そのうちのひとつに「腹痛」があります。では、なぜ妊娠初期になると腹痛が起こるのでしょうか?対処法や注意したい腹痛の例などと併せてご紹介します。

妊娠初期の腹痛に流産の危険はないの?

妊娠初期の兆候の一つに腹痛があります。下腹部に痛みが走ると、流産などの悪い兆候ではないかと不安になる方もいるかもしれません。妊娠初期は流産が最も起こりやすいので、心配になるのも無理もないことです。しかし、これは受精卵が子宮内膜に着床したことのしるしであり、とくに問題がない痛みのことが多いといわれています。

妊娠初期の腹痛はどんな痛み!?

妊娠初期の腹痛の痛みの感じ方には個人差があります。
生理痛のような痛みと感じる人もいれば、ちくちくと痛むと感じる人もいます。また、下腹部が引っ張られるように感じたり、お腹全体が痛いと感じたりする人もいます。一般的には、体が妊娠に慣れてくると痛みが徐々におさまっていきますが、数日から一ヶ月程度続く人もいるといわれています。

妊娠初期に腹痛が起きる原因

妊娠初期に腹痛が起こる原因は複数にわたります。よくある原因の一つとして、妊娠後に子宮が大きくなることで周辺の臓器や靭帯、筋肉などがひきつることが挙げられます。この場合腹痛だけでなく、腰や足まで痛みが広がることもあります。ただ、痛みそのものは基本的に耐えられないほどの激しいものではありません。

その他の原因としては妊娠初期に黄体ホルモンが活発に分泌されることで胃腸の動きが弱まり、結果としてお腹が張るような痛みが起こったり、妊娠によるつわりやストレス、自律神経の乱れによって腹痛が起こることもあります。

お腹が痛くなってきたときの対処法は?

妊娠初期の軽度な腹痛は基本的に心配することはありません。痛みが治まるまでそっとしていると良いでしょう。ただ、お腹や腰を冷やさないようすることが大切です。お腹まわりの血流が悪くなると痛みが激しくなる場合があるので、ひざ掛けなどで下半身を温めたり、温かい飲み物を飲んだり、ゆっくり温かいお風呂にはいったりするなど、体を冷やさないようにしましょう。

もし腹痛が我慢できないようなときは、無理をしないで、できるだけ楽な姿勢で休むことが大切です。また、重い荷物を持つなど、お腹や腰に力が入ってしまうような力仕事は流産の危険もあるので絶対に避けるようにしましょう。食事はなるべく消化に良く、温かいものを食べるようにするのがおすすめです。

便秘や下痢、頭痛や腰痛が出ることも

妊娠初期には様々なホルモンバランスが変化します。妊娠することで分泌が増加するプロゲステロンや、妊娠して初めて分泌されるhCGは胃腸の働きを弱くする効果があります。これが原因となって便秘や下痢が生じることがあります。
また、分泌が増加するホルモンとしてエストロゲンとリラキシンがありますが、エストロゲンは血管を拡張させる作用があり、リラキシンは骨盤回りの関節を緩める作用があります。これによって頭の血管が拡張されると頭痛が生じ、腰への負担が増加することで腰痛が生じることもあります。
このように妊娠初期には様々な体の不調が現れやすくなるので注意が必要です。

下痢や便秘対策でビオフェルミン®を飲んでも大丈夫?

妊娠中の下痢や便秘対策としてビオフェルミンを飲むのは問題ありません。ただし、下痢や便秘の原因が妊娠による変化ではなく、胃腸炎などの感染症の可能性もありますので、必ずかかりつけの産婦人科で相談してから服用しましょう。

下痢止めや痛み止めなどの市販薬を飲んでもいいの?

妊娠中に自己判断で下痢止めや痛み止めを飲むのは危険ですから控えましょう。特に妊娠初期は薬の影響で赤ちゃんの奇形のリスクが高まることがあります。また、胃腸炎が原因で下痢が生じている場合には、下痢止めは症状を悪化させることもあります。
何か困った症状があるときは必ずかかりつけの産婦人科を受診し、診察を受けてから処方された薬を飲むようにしましょう。

不正出血や激痛がある場合は病院へ

通常の妊娠初期の腹痛は心配はないのですが、非常に激しい痛みを伴ったり、出血を伴ったりするような痛みがある場合は異なります。

たとえば痛みとともに不正出血があり、しかも出血量が多く、だらだらと長く出血が続いたり、痛みがどんどん激しくなってきたりするような場合は要注意です。また、茶褐色のおりものがいつまでも続くような場合も注意が必要です。
切迫流産や異所性妊娠(日本では子宮外妊娠と呼ばれることが多い)の恐れもあるので、軽く考えず、すぐに病院に連絡しましょう。

妊娠初期は流産のリスクが高いので要注意!

妊娠12週目くらいまでは、流産が起きる可能性がとても高い時期です。痛みの伴う出血があったからといってすべて流産するとはかぎりませんが、医師に診察してもらうことをおすすめします。

おわりに:妊娠初期の腹痛は着床のしるし。ただし、激痛や出血がみられたら注意を

妊娠初期の腹痛は、妊娠の進行に伴う子宮の拡大によって引き起こされるものなので、基本的には正常な症状です。ただし、出血を伴うなど異変がみられた場合は、流産や子宮外妊娠の恐れがあるので、必ず病院を受診してください。

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