歩行障害とは何が原因でどんな症状のことか?

2017/10/31

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

歩行障害とは、文字通り「歩行=歩くこと」に支障が出る障害であり、さまざまなケガや病気、精神的な病が原因になります。歩行時に転倒すると大きなケガにつながることもあるので、早期に適切な治療を受ける必要があります。この記事では歩行障害の基礎知識について解説しています。サインを見逃さないための参考にしてください。

歩行障害とは

歩行障害とは、何らかの病気や障害、後遺症などにより、歩行機能に支障が出ることです。まったく歩けなくなる状態だけでなく、足のふらつきやしびれ、痛みで思うように歩けない状態なども含まれます。原因となる病気にもよりますが、進行すると車いす生活になる可能性もあります。また、うまく歩けないことで転倒やけがのおそれもあるため、注意が必要です。

歩行障害の要因は様々で、自分ではまだ気付いていない病気のサインである可能性も考えられます。そのため、歩行障害と思われる症状が出た場合は速やかに病院を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。病気や障害が判明した場合はその病気に合わせた治療を行い、リハビリテーションを続けることになります。

なぜ歩行障害が起こるか

歩行障害の原因には、脳や脊髄、血管の障害や、骨や筋肉の障害が考えられます。以下は、症状として歩行障害が見られる病気の一例です。

・脳梗塞
脳に血栓ができ、血液が流れなくなります。脳細胞が壊死し、手足のまひや言語障害が起こるだけでなく、死に至ることも稀ではありません。

・パーキンソン病
中脳にある黒質の神経細胞が減少し、ドーパミンが不足することによって起こる病気です。何もしていないのに手がふるえる、小刻みに歩行する、顔がこわばるなどの症状が現れます。

この他にも、脊髄小脳変性症や頚椎症、閉塞性動脈硬化症、糖尿病など、原因となる疾患は多岐に渡ります。また、身体的に異常がなくとも、精神的に負担がかかることで歩行障害が生じるケースもあります。

歩行障害の症状とは

歩行障害の自覚症状としては、以下のようなものが挙げられます。

・足がふらつく
・歩幅が狭くなり、小刻みに歩く
・足がすくむ(最初の1歩がなかなか踏み出せない)
・歩くときに足を引きずる
・突進してしまう
・足にうまく歩けないような痛みがある
・足がしびれている
・足が上がらない
・しばらく歩くと足が痛くなったりしびれたりし、休むと再び歩けるようになる(間欠性跛行・かんけつせいはこう)

また、歩いている間にどんどんスピードが速くなっているなど、周りの人が気付きやすい症状や、診察によって判明する症状もあります。そのため、歩行障害で受診した場合は、歩く様子を医師が観察し、歩く際の姿勢や安定性、方向転換の様子などをチェックします。

歩行障害の治療

歩行障害の症状が現れた際は主に原因となる病気の治療が行われるため、薬物療法や運動療法など、手術など治療の内容は様々です。ただし、病気によっては、完治は難しいといわれています。特にパーキンソン病の歩行障害は「難治性歩行障害」と呼ばれ、残念ながら今のところ完治は難しい状態です。

また、病気自体の治療と並行し、症状に合わせた歩行のリハビリも行います。リハビリ中は転倒や怪我のおそれもあるため、適切な介助のもと、患者それぞれの歩行レベルに適したメニューをこなすことが大切です。

なお、人にもよりますが、突然歩けなくなった場合は体だけでなく心にも大きな負担がかかっていると考えられるため、精神的なケアも必要といえるでしょう。

おわりに:歩行障害の原因は多数ある。医師の指示に従い安全なリハビリを

記事内で説明してきたように、歩行障害の原因や症状は多岐にわたります。うまく歩けないことで転倒し、大きなケガにつながるケースも少なくありません。少しでも気になる症状があるときは早めに病院を受診しましょう。また、家族や友人など、周囲の人が早めに気づいてあげることも大切です。医師の指示に従いながらリハビリや訓練を続けていきましょう。

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