空腹になると腹痛を起こすのは病気のサイン?

2017/11/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

朝起きた直後やお腹が空いているときなどに、胃のあたりにキリキリとした痛みを感じたことがある方は割と多いかと思います。ただ、そんな空腹時の腹痛は病気のサインの可能性も…。詳しくは以降で解説していきます。

空腹になるとお腹が痛くなる原因は?

空腹時の腹痛は非常に一般的な症状で、そのほとんどは胃酸の過剰分泌が原因と考えられます。しかし、可能性はそれだけではありません。みぞおちのあたりが痛み、食事を摂るとその痛みが落ち着くのであれば、「急性胃炎」や「胃潰瘍」、「十二指腸潰瘍」などの病気を発症しているということも考えられます。

こういった腹痛は一時的なものであるためつい放置してしまいがちですが、自分では気づかないうちに病気が進行している恐れがあります。不安を感じたらなるべく早めに医療機関を受診し、検査を受けることをお勧めします。

空腹時の腹痛の原因となる症状

空腹時の腹痛の原因として考えられる主な病気は、「急性胃炎」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」の3つです。

まず、急性胃炎は胃の粘膜が炎症を起こす病気で、ストレスやお酒の飲み過ぎ、喫煙によって引き起こされます。腹痛のほか、吐き気を伴うこともあります。

胃潰瘍は、急性胃炎が進行すると起こる病気です。炎症が粘膜より深い「粘膜筋板」と呼ばれる筋肉の層に達すると「潰瘍」となります。

この潰瘍が十二指腸にできる病気が十二指腸潰瘍です。空腹時にみぞおちあたりが圧迫されるような激しい痛みを感じ、食べ物を口にすると痛みが治まるという特徴があります。

胃潰瘍も十二指腸潰瘍も、原因は胃炎と同じストレスやアルコール、喫煙などです。また、ピロリ菌の感染が原因であることも考えられます。

空腹時の胃痛、どうすれば治る?

空腹時に腹痛が起こるのは、胃の中に消化するものが何も入っていないために、胃壁や十二指腸の粘膜の傷ついた部分が胃酸によって刺激されたことが原因です。

まず、胃炎が原因の腹痛に対しては、胃酸の分泌を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬が用いられます。これらの薬を服用することで痛みは治まってきます。

また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合も同じ薬物療法のほか、潰瘍に出血がみられるときには止血剤の注射やレーザーで出血を止める治療を行います。ピロリ菌が見つかった場合は抗菌薬やプロトンポンプ阻害薬と呼ばれる薬を用いて除菌治療を行います。

なお、病院の治療と併せて、自宅でも食事療法や日常生活の改善を行うことも重要となります。食事は毎日規則正しく、3食なるべく同じ時間に摂るようにしてください。

再発を予防するために気をつけることは?

急性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍のすべてにおいていえることは、主な原因がストレスと生活習慣であるということです。そのため再発を予防するにはまず生活習慣を見直す必要があります。

まず、喫煙習慣のある方はなるべく早く禁煙を始めてください。喫煙者は非喫煙者に比べて、胃潰瘍の発症率が3~4倍といわれています。

また、胃に負担がかかる早食いや暴飲暴食をしないよう心がけましょう。とくに胃の調子が悪いときは辛いものや冷たいものなど、刺激になる食べ物は控えてください。

なお、胃腸は自律神経の影響を受けやすいため、ストレスの溜めすぎにも気をつけなければいけません。適度に息抜きをし、無理をし過ぎないように気をつけましょう。

おわりに:空腹時の腹痛にお悩みなら、まずは生活習慣の改善を

空腹時の腹痛は、「急性胃炎」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」などの病気のサインの可能性があります。いずれの病気も、過度なストレスや生活習慣の乱れが主な発症原因のため、空腹時の腹痛に悩まされている方は、まずは生活習慣の見直しから始めましょう。

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