白板症ってどんな病気?どんな症状が出るの?

2017/12/15 記事改定日: 2019/3/11
記事改定回数:1回

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

白板症は、口の中に白い斑点ができるもの病気です。病気といっても、ほとんどのものは無症状であり、治療の必要がないものも多いです。今回は白板症について解説していきます。特徴や原因、治療法などをきちんと理解して、口の中の悩みの解決に役立てましょう。

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白板症の症状とは?

白板症は、口腔内に白い斑点ができるもので、50~70代に多くみられる病気です。男性の発症率が圧倒的に高く、白い部分はこすっても取れないという特徴があります。口腔内が白い状態だけのときには痛みはありませんが、口腔粘膜に赤い部分を伴うものがある場合には痛みが出ることもあります。

白板症は、歯肉、舌、頬粘膜に多くみられ、一部のものはがん化することがわかっています。舌の縁にできた白板症や、ただれているもの、こぶ状になっているものは、がん化する確率が高いとされています。

ただ、白板症は無症状であることが多く、自分が白板症だと気づいていない人も大勢います。

症状の特徴

白板症を発症すると、粘膜の一部が白色になります。白さには個人差があり同じ人でもできる場所によって違いがあり

  • しわ状になっているもの
  • 平坦なもの
  • いぼのように隆起しているもの

など形状も様々です。
また、赤くなったり、びらんや潰瘍ができることもあります。

大半の白板症は、白い部分は周囲との境界線が明確になっていて、正常な粘膜との境がわかる状態になっていて、白くなった場所の奥にしこりのような硬結を作ることはありません。

白板症はどんな場所にできるの?

白板症は、舌の縁や舌の下、舌の下と前歯の間、歯茎にできやすいとされています。
白板症は慢性的な物理的刺激が発症に大きく関わっていると考えられており、これらの部位はサイズの合わない入れ歯や虫歯、歯並びの悪さなどによって慢性的な刺激が加わりやすくなる部位です。
何らかの原因によって物理的な刺激が加わりやすい部位がある場合は、歯科医院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

白板症はどのように治療するのか

白板症は自覚症状がないものがほとんどですが、症状が進むと治療が必要になる場合があります。また、舌の縁にできているものはがん化する可能性があるため、早めに治療を検討する必要があります。

白板症の治療はビタミンAの投与から始まります。ビタミンAの投与で症状の改善がみられない場合には、白い部分を切除する手術療法が選択されます。

ただし、切除範囲が広くなると、口の機能が正常に行われなくなるリスクがあるので注意が必要です。部位や状態によっては、切除が望ましい場合もありますが、経過観察だけで良い場合もありますので、切除するかどうかは医師としっかり相談したうえで、十分納得したうえで決めるようにしましょう。

おわりに:白板症はがん化する可能性あり。早めに専門医に相談を

白板症は無症状のことがほとんどですが、一部はがん化するリスクがあります。医師が必要と判断した場合は切除を行うことになりますが、切除手術に関しては口の機能が損なわれるリスクがあるので注意が必要です。
いずれにしても早めに歯科口腔外科などの専門医に相談するようにしましょう。

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