記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自分の意思とは関係なく、顔の片側がぴくぴくとけいれんを起こしてしまう場合、「顔面けいれん」を発症しているかもしれません。今回の記事では顔面けいれんについて、特徴的な症状や発症の原因、治療の必要性の有無などを解説していきます。
顔面けいれんとは、自分の意志とは関係なく顔の半分がけいれんする症状のことです。緊張したときや、ストレスを感じたとき、疲れが溜まったときなどに引き起こされることがあります。比較的、中年以降の女性に多く見られます。
顔面けいれんは、多くの場合目の周りから始まり、徐々に口元へと広がっていきます。初期の段階ではまぶたがぴくぴくする程度ですが、頬、額、口へと広がり、顎の下もけいれんするようになります。
顔面けいれんでは、症状の進行につれてけいれんの時間が長くなり、最終的には一日中けいれんが起きるようになります。重症化すると顔が歪んでしまったり、顔面麻痺につながったりすることもあります。
顔面けいれんは、頭蓋内の血管などによって、脳の深部にある顔面神経が圧迫されたことが原因で起こります。そもそも顔面神経とは脳幹から出ている神経で、顔や顎、涙腺などのコントロールを司っています。その顔面神経に動脈や静脈などの血管がぶつかり神経が圧迫されることで、顔面の筋肉が意図せず収縮を起こすようになるのです。
なお、腫瘍によって顔面神経が圧迫され、けいれんが引き起こされることもあります。
顔面けいれんは特に生命にかかわるものではないので、治療をしなくても基本的には問題はありません。ただし、自分の意思で症状がコントロールできないために、対人関係の上で苦労を感じたり、仕事中に支障が出たり、目のけいれんによって自動車事故に遭ったりしてしまう可能性があるので、そのような生活上の不利益を感じる場合は治療を検討したほうがいいでしょう。
顔面けいれんの多くは、手術(神経減圧術)やボツリヌス毒素治療などによって、症状を緩和あるいは治癒することができます。また、特徴的な症状から診断も比較的容易なので、顔面けいれんにお悩みであれば脳神経外科、神経内科を受診するところから始めましょう。
緊張やストレスなど、主に心因的なものが原因で引き起こされることのある顔面けいれん。死に直結するような症状ではないものの、顔面けいれんが原因で生活に何らかの支障が出てしまうこともあります。症状は徐々に進行していく傾向にあるので、気になるようであれば一度専門の医療機関を受診することをおすすめします。