硝子体出血とは ~ 目の中で出血した血液がとどまり起こる症状について

2017/12/12

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

硝子体出血とは、眼球内の血管から出血が起こり、硝子体に溜まってしまう病気です。重症化すると極端に視力が低下し、失明してしまうおそれもあります。この記事では硝子体出血の症状や原因、治療について解説していきます。

硝子体出血ってどんな病気?

硝子体出血とは、眼球内の血管からの出血が硝子体中に溜まってしまう病気のことです。出血がたまることで光が網膜にきちんと届かなくなるため、視力が極端に落ちてしまいます。

硝子体とは眼球の器官のひとつで、99パーセント以上の水でできているゼリー状の無色透明な組織のことです。出血自体は短期で止まることがほとんどですが、出血した血液がこの中にとどまると、吸収には2ヶ月から3ヶ月と長期間かかってしまいます。長期間にわたり、出血によって光が遮断されると飛蚊症や視力低下などの症状が引き起こされ、治療せずに放置していると症状が悪化して失明するおそれもあるのです。

硝子体出血を発症するのはなぜ?

硝子体出血とは、他の部位からの出血が硝子体腔の中に溜まってしまう病気です。原因は様々ですが、とくに多いとされるのが網膜新生血管が破綻することといわれています。

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などの病気にかかると網膜の血の流れが悪くなってしまいます。すると、網膜へ十分な栄養を送り届けようとして、体は色々な場所に新生血管を作ろうとします。ただこの新生血管は、本来の血管と比べるととても破れやすく、硝子体に引っ張られると容易に出血を起こしやすい性質があるため、硝子体出血が発症しやすくなるというわけです。

その他、新生血管以外には、網膜血管の炎症や網膜裂孔、網膜はく離や網膜の腫瘍などが原因になることもあります。

硝子体出血を発症すると、どんな症状が現れる?

 

硝子体出血が発症したときに生じる症状は、出血量によって違いがあります。
まず、出血が軽度の場合は血液の影が網膜に落ちる程度になるため、飛蚊症が現れます。飛蚊症とは、視界に墨を流したような黒い影が入ってきたり、虫が飛んでいるように見える症状のことです。
そして、出血量が多い場合には、血液が大量に混じるので硝子体の混濁度合いが高まります。その結果、外からの光が遮断されてしまい、網膜に像を伝えることが難しくなります。その結果、霧視、極端な視力の低下などの症状が引き起こされます。
出血が軽い場合は数週間で吸収されますが、 出血量が多い場合は数カ月以上かかることもあります。

どうすれば硝子体出血は治る?

硝子体出血の治療方法は、出血が軽度であれば、経過観察で血液の自然吸収を待つことが一般的です。ただ出血が継続している場合、または網膜はく離が疑われる場合は、早急に硝子体手術を行うことになります。

硝子体手術では、原則として局所麻酔の元、血液が混ざった硝子体を切除します。そして、必要であれば再出血の予防のために原因疾患の治療が行われます。原因疾患の治療では、光凝固、増殖膜除去などが行われ、必要に応じて空気、C3F8ガス、シリコンオイルを眼内に注入することもあります。
硝子体出血は、きちんと治療を行わないと新生血管緑内障などを引き起こして失明に至る危険性もありるので、すぐに眼科で適切な治療をしてもらいましょう。

おわりに:放置すると失明のおそれも!見え方に異常があるときはすぐに眼科で検査してもらおう!

硝子体出血の原因のほとんどは、新生血管といわれています。新生血管ができる原因はいくつかありますが、糖尿病や慢性肝炎、関節リウマチなどの持病が原因のことが多いようです。上記の持病がある人は状態が悪化しないように注意しましょう。ただし、持病以外の原因でできる新生血管や新生血管以外の原因で起こる硝子体出血もあります。硝子体出血は失明に至るおそれがある病気です。見え方に異常を感じたときはすぐに眼科で受診し検査してもらいましょう。

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