失語症は2種類ある!? 種類ごとの治療法を解説します。

2017/11/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脳卒中などによる脳の損傷がきっかけで発症することのある「失語症」ですが、実は失語症は2つの種類に分けられるとされています。詳しくは以降で解説していきます。

失語症について

失語症とは、脳梗塞や脳内出血など脳血管障害や病気によって脳が損傷してしまい、結果として言語に関する機能に悪影響を受けてしまった状態です。心因性の原因によって声が出なくなる失声症とは異なり、脳の損傷という物理的な原因によって引き起こされます。

失語症になってしまうと、言語に関するあらゆる手段や理解に支障をきたすようになりますが、脳の損傷する部位によって具体的な症状や治療法が異なります。例えば、左大脳半球の外側にあるシルビウス溝周辺を損傷した場合は、失語症の種類のなかでも重篤な症状に入る全失語を発症します。この場合、「聞く」「話す」「書く」「読む」といった全ての言語の機能に障害をもたらします。一方、左前頭葉の内側部から背外側部を損傷した場合、発言の低下を特徴とする超皮質性運動失語を発症します。

運動性失語症(ブローカ失語症)とは?

失語症には様々な種類がありますが、特に2種類の症状が広く知られています。そのうちの一つが運動性失語症(ブローカ失語症)です。左脳前頭葉の隅にある下前頭回後部には、自分の発言に関する言語の処理を司るブローカ野という領域が存在しているのですが、ここが損傷すると発言ができなくなるうえにたどたどしくなります。つまり話せなくなるというわけです。ただし聴覚を媒体にした言語理解は比較的問題なく、また読み書きも簡単な文章しか扱えなくなるものの、良好的と言えます。

感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)とは?

もう一つの失語症の症状が、感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)です。

左大脳半球上側頭回後部にある、音声言語処理をしているウェルニッケ領野と呼ばれる領域を損傷したために、なめらかな話し方は出来るものの、その内容は支離滅裂だったり乏しかったりするのが特徴です。要するに自分から話せるものの聞く能力が著しく低下しているため、言語を聴き取れなかったり言い間違えてしまったりします。また、本人が自覚していないところも特徴の一つです。また本人にしか分からない言葉、ジャーゴンを用いるのも特徴です。

種類ごとの治療法について

失語症の治療法は主に言語訓練です。訓練の内容は、症状を引き起こしている本人の状態や障害の種類により異なりますが、患者へのプレッシャーを避けるために進め方が分からないように配慮されています。なお、運動性失語症の場合は、単語をゆっくりと発音したり、短い単語から長い単語へと発音の練習を移行させていくリハビリを、感覚性失語症の場合は、耳で聞いた単語が書かれたイラストを選ぶリハビリをそれぞれ行います。

おわりに:まずは失語症のタイプの見極めを

運動性失語症と感覚性失語症、失語症の種類によって現れる症状は異なり、適した治療法も異なります。まずはどちらのタイプの失語症か、正確に把握することから始めていきましょう。

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